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10/26/2023, 1:59:10 PM

 いち、にの、さん、で飛び出そうね!合言葉は敢えて設けなかった。きみはどこまでもこの青い空を駆けていったらいいよ。こんな小さな背中に縛られずに、星と星の間を通り抜けて、拡張し続ける宇宙の向こう側まで駆け抜けていってしまったらいいよ。
 二人その向こうで出会ったらさ、たぶんまた曖昧に笑うと思うんだよ。それが認証コードの代わりになると思う。逸れもの同士なんて言わなくっていいよ。星のむこうまで行くんだ。そのために走ってきたんだ。たぶんね。
 未来なんていつも明後日の方向にいってしまうけれど、ここに来ようと思っていたんですよ、って過去を整えてあげる整備士になろうと思うよ。だから振り返らずに飛んでいって。真実、きみを包んだベールこそ真相だって信じてみるよ。その味気ない高潔さが好きだよ。優しい嘘をついてくれて、ありがとう、少し休んだら、さあ…行こうね!

10/26/2023, 12:23:49 PM

 近付きすぎて見えなくなるものだってあるよ。ずっと友達でいようね。って、ほんとうの友達ってなあに。の散弾を飲み込んで遥かに遠くまで至ったのに。死に至らないためにも随分前に臨んでおいたほうが、紳士然としているのかなあ?
 不必要な上手さが、曖昧には足りないんだと思う。明日を迎える最低基準は、両手を上げて喜べたのに。いい人でいたい。そのためだけの前借りだった。開いた心の扉が痛む。それでも君の所為ではない。

10/25/2023, 11:21:15 AM

 おかえり。貴方の待つ家にずっと帰り着きたかったよ。着慣れて草臥れたエプロンを、笑って伸ばしたりしたかったよ。行かないで、って、縋ったりしたことはない。信じてるみたいに目を逸らしていたのかなあ。
 跳ねるような陽射しに笑って、足音に合わせて前を向いて、大きくなった背丈を追い越さないでいたくて、自分はずっと、ここで。ここに…いつしか…いないもの…を、見なければ信じてられると思ってた。

10/23/2023, 3:33:31 AM

 肌に合わなくなったものは、いっそ仕舞い込んでしまうこと。そういう手段はいつも必要だ。もしかしたら、もう二度と袖を通さないものがあるかもしれない。もしかしたら、その中で穴を開けられて、密かに息を引き取るかもしれない。そういういろんなしがらみに、目を逸らすように、蓋を閉めること。たぶん、そういう手段が必要だ。

10/22/2023, 9:54:58 AM

 優しい眠りについているなら、目を覚まさないでいてほしいな。暗い夜はたぶん淋しくて、ときには優しいと思うから、君のための太陽が昇ってこないようにって何度も祈った。
 魔法を使えるわけじゃないし、奇跡を起こせるわけでもないし、世界は君のためだけにはないから、夜はいつも朝を連れてきてしまう。少しでも眠っていたい、って思うなら、帰りたいって思うなら、それを知っているなら、せめて…、せめて、声が枯れるまで。

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