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 いち、にの、さん、で飛び出そうね!合言葉は敢えて設けなかった。きみはどこまでもこの青い空を駆けていったらいいよ。こんな小さな背中に縛られずに、星と星の間を通り抜けて、拡張し続ける宇宙の向こう側まで駆け抜けていってしまったらいいよ。
 二人その向こうで出会ったらさ、たぶんまた曖昧に笑うと思うんだよ。それが認証コードの代わりになると思う。逸れもの同士なんて言わなくっていいよ。星のむこうまで行くんだ。そのために走ってきたんだ。たぶんね。
 未来なんていつも明後日の方向にいってしまうけれど、ここに来ようと思っていたんですよ、って過去を整えてあげる整備士になろうと思うよ。だから振り返らずに飛んでいって。真実、きみを包んだベールこそ真相だって信じてみるよ。その味気ない高潔さが好きだよ。優しい嘘をついてくれて、ありがとう、少し休んだら、さあ…行こうね!

10/26/2023, 1:59:10 PM