くろねこ

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6/21/2025, 11:37:01 AM

毎日耐えられない生活を送っていました

一瞬でも気を抜けば呼吸の仕方を忘れるくらいでした

でも自分を奮い立たせて重い足をはこんでいました

もうすぐ受験期だからって親はうるさくて

暴言と陰湿ないやがらせをクラスメイトから受け

行き場はどこにもなかった

そんなとき君が現れました

真っ暗闇の孤独の中に一筋の光がさしこんで

あたたかく私を包んでくれた

私にも平穏な日常が訪れたと思っていた

でもそんなの儚い夢だった

君が癌だと知ったのは君が息をしなくなったと伝えられた時

癌だなんて一言も言ってなかったのに

また暗闇に落とされた気分がした

今度はもっともっと深い闇の中

私ってこんなにも君に依存していたみたい

これからどう生きていけばいいのか

考えるだけ無駄だった

私は君を信じていたのに

「ずっと一緒にいようね」って約束したはずなのに

すぐに裏切られてしまった

………

ああ

そっか

君は裏切ったんじゃない

私が勝手に勘違いしていた

私もそっちにいけばいいんだね

そうしたらずっと一緒だね

辛い思いをしなくて済む

あんな地獄からはさよならできる

今までよりもずっと軽い足を

落ちるかギリギリのラインまで立たせて

ちょっとだけ足を浮かせてあげた

風が心地よくて気分が良くて

また君に会えると思うとすごく嬉しかった

大きな音と悲鳴をあげる人々と耳に

私は深い眠りについた








6/18/2025, 12:03:29 PM

大切な人のことを指すときによく

「私達は赤い糸で結ばれてる!」

なんて言うけれど

私は鮮やかな赤じゃなくて

ちょっと赤黒い色をしていると思う

不安、焦り、嫉妬、怒り

人間誰しも持っているこの要素は

大切な人となると人一倍感じやすい

大切な人だからこそ嫉妬して

大切な人だからこそ倦怠期が訪れる

でも

赤黒い糸でもちゃんと結ばれているのが

なんだかとても神秘的でロマンチックな感じがする

6/18/2025, 7:57:45 AM

いつか一人でそっと消えてしまいそうな

そんな子に出会いました

その子は明るくて元気で

誰とでも仲が良いように感じられました

私にも親しく話しかけてくれました

でもいざ仲良くなってみれば

LINEはほとんど返ってこなかったり

数日立て続けで休んだり

困ったことに体調が悪い時がありました

心配で心配で仕方がありませんでした

他の人達よりももっと親しくなった時

あることを教えてくれました

思っていた何倍も闇深く

重く、どす黒い内容でした

明るい子ほど闇を抱えているというのは本当でした

その子はたまに笑顔が消えるんです

誰もいないところでです

思い詰めたような顔をします

でもみんなの前では明るく振る舞います

今になって思い返してみると

今までの行動も言葉も全部

SOSのサインだったのかもしれません

助けてあげたいくらいでした

でも気づいた時には遅かった

その子は数日休んだ後

自宅のベッドで体が冷えた状態で発見されました

自殺でした

何も出来なかった自分が悔しくて

君がこの世界からいなくなったことが辛くて

何日も何日も泣きました

涙が枯れるくらい泣きました

またあの笑顔で帰ってきてくれるんじゃないかって

また私の名前を呼んでくれるんじゃないかって

また私の手を握ってくれるんじゃないかって

そう思ってました

無意識に君のLINEを開いて

いつも通りLINEを送りました

いつも通り既読はつきませんでした

だからずっと待っていました

何日も何日も待っていました

もう君にはこのLINEが届かないのに

またいつものように

「ごめん、遅れた〜💦」

なんてLINEを返してくれるんじゃないかって


6/15/2025, 3:43:38 AM

世界がこんなにも残酷だったなんて

いつか漫画でみた世界と大して変わらない

いやもしかするとそれよりも酷い

報われるハッピーエンドの道はないのだろうか

漫画では誰かが死んでバッドエンド

でも現実だとほぼ生き地獄状態じゃないか

そんなの耐えられない

前の生活がどんなに楽しかったものか今になって気付かされる

「これを耐えたら幸せな生活がまってるよ」
「一年我慢するだけで全部リセットされるから」

そんな綺麗事求めてない

なんで幸せになれるって言い切れるの?

その間どれだけ辛い思いをするかわかるの?

わかって欲しいけど共感して欲しくない

ただ話を聞いて寄り添って欲しい

慰めとかじゃない

「辛かったね、よく頑張ったよ」

その一言が欲しい

もしも、君が私と同じことを思っているのなら

もう一度やり直しませんか

私達が出会う前の世界に戻って

全部全部リセットしませんか

6/10/2025, 10:49:34 AM

それはとある夏の日

君と僕が出会った運命の日

入道雲の下で友達と笑いながらアイスを食べる君に

僕は一目惚れしました。

どうしようもない恋心でした。

名前も学校も学年もなにもかも知らないのに

いつの間にか目で追っていました

すれ違えばシトラスのいい香りが

顔をくすぐる長いポニーテールの髪が

愛おしいほどに好きでした

君がこちらを振り向くたび

僕のことじゃないなんて分かってはいたけれど

向けられる視線が

全て僕のものと勘違いしそうでした

その真っ白い肌と華奢な体は

いつか泡となって消えてしまいそうでした

言葉には表現できないほどだった

つい、手を握ってしまいそうだった

頭がおかしくなりそうだった

それくらい君を愛していた

だから言われるまで気づかなかった

無意識だった

包丁を手にして君のもとへと向かっていた

君から出る真っ赤な血の滝すらも美しかった

綺麗な目から涙がこぼれ落ちる様子も愛おしかった

絶望に満ちている表情すらも好きでたまらなかった

全部僕の手によって生み出せたものだなんて

死ぬほど嬉しかった

僕の手で君を殺してやりたかった

永遠に僕のものにしたかったんだ

ああ、もう満足だ

パトカーのなる音と周囲のざわめきの声

それすらも聞こえなくなるような

人生で一番心地よい体験

後悔も、罪悪感も、微塵も感じていなかった

嬉しさで胸が張り裂けそうだった

骨が折れるくらいに君を抱きしめながら問う

「君は、僕のことを愛していたよね?」









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