Liu

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11/21/2024, 2:14:59 PM

どうすればいいの?

「変わらないことだと思っていたのではないですか?」
 季節が変わるということの意味を知って、
 それでも過ぎ去った時間に今更、
 あの花はもう咲かないと知って今更。
 
 散りゆく花びらが美しいと、穏やかな風のなか、呑気に見上げていた、あの日。

11/19/2024, 12:58:25 PM

キャンドル

 海のようでした。
 赤い炎が揺らめくたびに、潮の匂いがしました。
 私の心を永遠に照らすはずでした。
 ある日、つよい風が吹きました。
 嵐は全てを吹きさらってしまいました。

 今やこの閉ざされた暗闇の中、あの潮の匂いや揺れる炎の記憶はぼやけていきます。
 一本の燐寸さえあれば。また火を灯せるのに。
 そうすればまた…

 あなたがくれたもの。
 それはあなたの全てでした。

11/18/2024, 10:41:26 AM

たくさんの想い出

 どうしたんです? そんな両手いっぱいに抱えて。涙でぐしゃぐしゃじゃないですか。
 はやくこれを燃やして欲しい? ええ、まぁ、それが仕事ですから構いませんけれど。ずいぶんたくさんあるようですが……。
 ええ、ええ、わかりましたよ。
 はい。
 どうです? ……。
 ……さぁ。私に聞かれましても、この店に着いた時にはもう泣いてらっしゃいましたよ。
 ええ。……それならよかったです。また不要な想い出があれば、いつでもお越しください。私の炎が責任持って、どんなものでも、灰にして差し上げますよ。

11/17/2024, 11:43:47 AM

冬になったら

 フィルター越しに見た青い空は、入道雲が目に痛いほどでした。
『冬になったら私を思い出してください』
 雪の降りしきる街路を一歩、進むたびに、指先に雪が触れて、雫が滴るたびに、その言葉を思い出します。
 入道雲。
 照りつけるあの白。
『冬になったら私を思い出してください』
 

11/16/2024, 6:20:19 PM

はなればなれ

 まぁでもさ、もし会えなくなっても、僕はべつにさびしくなんかないけどね。
 君がいなくたってやっていけるし。一人でだって楽しめることあるし。
 あぁ、もう交差点か。
 じゃあね、明日は貸した本、忘れないでよ。

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