好きじゃないのに
いつもつまらなそうに遠くを眺めている
ついその人の視線の先を私も追ってしまう
いつも淡々と話し、顔の表情が固い
たまに笑った時はすごくいい笑顔をしている
その笑顔に私もつい頬が緩む
気づけばその人を目で追ってしまっている自分を自覚した
『好きじゃないのに』
もう、この気持ちにこんな言い訳なんて出来ないかもしれない
ところにより雨
ぽつりぽつり
ぽたぽた
家の中で耳を澄ませる
ザーザー
ザーザー
だんだんと雨が大きくなってきた
しかし、何故か心が落ち着く
空気中のゴミを落としてくれる
生き物に恵みを与えてくれる
次に晴れたら快晴だろう
特別な存在
私にとっての特別な存在は父だ
元々は魚の卸売業の社長をしており、
20代で会社を立ち上げ、50歳過ぎまで社長を続けていた
事業は順調になりつつあったのだが事業の拡大をしていく途中、失敗をしてしまい会社は倒産
倒産後は運送業に勤め、定年まで続けた
退職後、数年経ってから認知症にかかり、そして
身体も弱り75歳過ぎに他界した
常に寡黙だったが真面目で誠実な人だった
『父のような人になりたい』
子供の時からそう考えてきた
やはり私にとって特別な人だったのだ
他界した後、一層そう感じている
後悔しているのは父にこの想いを伝えられなかったことだ
おそらく後悔していくだろう、、
ただ、最近思ったのだがもし仮に父に伝えたとしたら
『俺なんか目指しても何にもならないぞ』と
どこかを眺めながら一言そう言うんじゃないかなと強く思った
俺は俺らしい人生を送ろうと思った
バカみたい
誰かのために生きることほどバカなことはない
自分の人生なんだから自分のために生きろ
必死に自分らしく生きるんだ
2人ぼっち
1人ぼっちは孤独
でも2人なら孤独じゃない
嫌な時、愚痴を言い合い
悲しい時、気持ちを共有し
嬉しい時、一緒に喜び合える
今、孤独を感じる
この孤独を共感し合える友が欲しい