エッセイ風味

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3/28/2025, 12:05:32 AM

「春爛漫」

出産が終わり、入院中に「桜が咲いていたので、良かったら窓から見てみてください」と看護師さんに言われ
身体中の痛みを感じながら遠くの桜を窓から眺めた事をこの時期になると思い出す


今年は子どもの誕生日より桜が咲くのが早い
つまり今年は桜の開花が早い。恐らく

3/26/2025, 1:21:00 AM

「記憶」

「私もやりたいな」
「お前はくるな!」
そんな会話を目の前でされ、私は後でこっそりと「あいつの事は特に気にしなくていいから好きなようにやったらいいよ。私はあなたと一緒にするのは嫌ではないよ」と伝えた

はずだった
友人は結局やりたい事には参加できなかった。悩んでいるうちに定員が埋まってしまったのだ。それはしょうがない事だと思う
その後の友人との関係はギスギスし、最終的には結構派手に揉めた

一悶着あり、事態は収束。一件落着
友人が落ち着いたところで昔はこんな事もあったなあと話をすると
「あの時あいつと一緒になって私に来るなって言ってたよね」と言われた
そんな筈はない。正直混乱した
第三者にも確認をとったが言ってないだろうと言ってもらえてホッとする


それから私は人の記憶が信じきれない。自分の記憶も例外ではない
全く信じないというのも精神衛生上良くないので、混ざったり、すり替わったり、忘れたり、勘違いだったり、きっと現実と多少の齟齬があるだろうという前提で話を聞いている。自分が話すときもそうだ
ここに書いてある思い出も大なり小なり現実との齟齬があるのだろう



追記
しかしあの時の、人の記憶を信じまいと思った時の喪失感。自分を見失う感覚。暗闇の中にポツンと浮いている感覚。あれは良くなかった
恐ろしすぎて直ぐに戻ってきた。上手く折り合いをつけて付き合わねばならない。極端なのは良くない

3/19/2025, 9:14:35 PM

「どこ?」

都会で一人暮らしを始めたばかりの頃
知らない人によく道を尋ねられた

最初の1年目くらいなど割としょっちゅうで、こんなおのぼりに道聞くくらいならgoogle mapに聞いてくれよ!と何度思ったことだろう
きっと聞きやすい雰囲気が出ているんだなと当たりをつけ、都会の楽しさも相まって頑張って道を覚えた。google mapさえあれば私は何処へでも行けるぞ!と思えるレベルまでにはなった


その後、結局道を聞かれることはなかった
土地勘が身について自信がついたことで聞きやすさがなくなったのだろうか。不思議だ
しかし土地勘のない母が遊びにくると知らない人に絡まれ道を聞かれていたりする
もう皆google mapか駅員さんにでも聞いてくれ

3/18/2025, 10:25:11 PM

「大好き」

娘に一時期スーパーマリオをさせていたら、やたらマリオが好きな時期があった

「マリオかわいい〜♡」と言い、ゲームのプレイ動画をみたり、マリオの置物と写真を撮るなどしていた
「マリオかわいいか…?」と困惑する夫の事を私はきっと忘れないだろう


「ランドセルはマリオがいいな!」
ある日、爆弾発言が出た
「流石に売ってないわよ〜」と適当にあしらったが内心はドン引きしていた。夫もついに「マリオは普通のおじさんだぞ」などとイメージダウンを図る説明を始めた
女児のランドセルでマリオは危険だ。3ヶ月ももたないであろう


後日興味本位で調べたら男児向けのフィットちゃんにマリオがあった。いや、あるんかい
しかしこれは娘には見せられないのでそっとサイトを閉じた

3/17/2025, 10:17:09 PM

「叶わぬ夢」

小学生の時、ミサンガが流行った
願いを込めて手足に結び、切れたら願いが叶うというものだ

そういえばそんな事もあったなあ。無事切れたのは覚えているが私はどんな願いを込めたのか…
「貴女は漫画家になりたいってお願いしてたよ」
なんと幼馴染が覚えていた
昔の私のお願いが知れて嬉しい気持ちと、私の願いを覚えてくれている人がいたという嬉しい気持ち
これらを感じられただけで充分である

因みに漫画家は年を取るにつれて「私がやりたいのはこれじゃない」感が出てきたのでとっくに諦めている

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