エッセイ風味

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「記憶」

「私もやりたいな」
「お前はくるな!」
そんな会話を目の前でされ、私は後でこっそりと「あいつの事は特に気にしなくていいから好きなようにやったらいいよ。私はあなたと一緒にするのは嫌ではないよ」と伝えた

はずだった
友人は結局やりたい事には参加できなかった。悩んでいるうちに定員が埋まってしまったのだ。それはしょうがない事だと思う
その後の友人との関係はギスギスし、最終的には結構派手に揉めた

一悶着あり、事態は収束。一件落着
友人が落ち着いたところで昔はこんな事もあったなあと話をすると
「あの時あいつと一緒になって私に来るなって言ってたよね」と言われた
そんな筈はない。正直混乱した
第三者にも確認をとったが言ってないだろうと言ってもらえてホッとする


それから私は人の記憶が信じきれない。自分の記憶も例外ではない
全く信じないというのも精神衛生上良くないので、混ざったり、すり替わったり、忘れたり、勘違いだったり、きっと現実と多少の齟齬があるだろうという前提で話を聞いている。自分が話すときもそうだ
ここに書いてある思い出も大なり小なり現実との齟齬があるのだろう



追記
しかしあの時の、人の記憶を信じまいと思った時の喪失感。自分を見失う感覚。暗闇の中にポツンと浮いている感覚。あれは良くなかった
恐ろしすぎて直ぐに戻ってきた。上手く折り合いをつけて付き合わねばならない。極端なのは良くない

3/26/2025, 1:21:00 AM