「向かい合わせ」
小学生のときの図工の時間、友達とペアを組み似顔絵を描こう!という授業があったそうだ
先生からは漫画絵を描かずリアルに描くよう指示があり、その時鼻の形も指定があったらしい
「小学生がよく描くニンニクみたいな鼻を描けって言われて描いても不細工にしかならんし、友達もキレるし理不尽」というエピソードを聞いた
絵を学んできた身として思うのは、そもそも顔に輪郭線など存在せず、ほぼ面でできているので線で描いてやろうというのが無謀である。とくに鼻なんか線で描けないから漫画だと“く”みたいな感じになってるんじゃないかと思う
化粧をするときも目や唇には線を描いても鼻には普通陰影しかつけないだろう。絵も同じである
恐らく、ニンニク鼻を描いた時点で小学生がよく描く絵にしかならないので描かれる側も覚悟しておいた方がいい
「やるせない気持ち」
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「海へ」
海が近づくと空が開ける
生まれも育ちも山育ち。どこにいても山が見える環境で育った私には、山が見えない景色は新鮮なのだ
「裏返し」
とある佳き日に、私たち夫婦は無事結婚式を迎えた
親族と友人を招いての小規模の結婚式で、当日はお祝いムードに包まれ素敵な一日であった
式が終わり、披露宴に移るタイミングで妹に声をかけられた
「○○さん、服からタグが出てたんだけどボレロを裏返しで着てない?」
○○さんとはうっかり者の幼馴染である。アイツならやりかねんなと思うと同時にここ半年の彼女との思い出が脳を駆け巡る
「貴女の結婚式でボロを出さないようにしなきゃね!」
「絶対やらかさないように気をつけなきゃ!」
「今日やらかしたからきっと結婚式の日は大丈夫」
半年に渡る壮大なフラグは回収された。私はもう駄目だった
披露宴が始まり、なんとか笑うのを我慢しつつ微笑んで入場する。唇がプルプルする
ちらりと幼馴染を確認すると、しっかりと洗濯タグが飛び出している。なんとか吹き出すのを我慢する
高砂席に座るが、花嫁がいきなり友人席に突撃して指摘する空気ではない。気になりつつも幼馴染が来るのを静かに待ち、ほいほいお祝いをしに来たところを捕える
タグをしっかり本人に見せつけ「裏返しだ」と指摘する
彼女は一瞬遠い目をし、「お手洗いに行ってくるね」と行って静かに去っていった…
「鳥のように」
ぴよ盛り、目指せ新記録!