あまから深海魚

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12/18/2022, 9:54:49 AM

“とりとめの無い話”

そんな話、いつもしていたね
とりとめもない 会話に花が咲いて
気がつけば もうぶっ通しで 4時間越え
だけど、楽しかった
君は 電話代が 高額になったらしく
家族に 叱られたらしいが。

だけど そんな事、君は
噯気(おくび)にも出さずに
ただ、『たまには君からも 電話をかけてね』

そう言って 笑うんだ
困ったように
……………笑うんだ。


ふと 思い出す
とりとめの無い 僕の記憶にのこる

君の 苦笑い
だけど 決して
僕を 責めようとはしなかった

…僕に おごる(今は『ゴチる』かな。)のが
好きで いつも何かしら おごってくれた

まるで 姉のような
おおらかな人だった

今はもう 僕との縁の糸切れ
今生(こんじょう)、2度と会う事はないだろう

僕の 生まれて初めての
友達であり
親友であり
同期であり
大切な友人だった

今はしあわせだろうか

ただそれだけが

僕の心のこり。

いま

切れた糸の端を持って
君の 面影を想う

しあわせで、あれ。と。


#とりとめの無い話

11/19/2022, 11:25:53 PM

スマホ不機嫌です。
暫くやめとこ。
この機械も
命のキャンドルが燃え尽きるのか…
自分を置いて
母と同じ世界にいくのか?
悲しいが、これは致し方ない。
物に魂が宿ると信じる自分は
このスマホの命のキャンドルが燃え尽きたあと
静かに箱に戻そう
『今までありがとう』の言葉を添えて。
#キャンドル

11/15/2022, 2:54:42 AM

あなたと 出会ったのは
こんな 秋風が吹く
やさしい日でした

あなたと居た 暖かい日々には
決して 秋風が立つことは ありませんでした

なの
月日は 惜しげもなく過ぎ
君は 老いて
現代では 完治の 目処の低い病にかかり

あれよあれよと いう間に
連れ去られていきました

僕の 手の届かない世界へ
いつか 誰もが 還り着く世界へ…

あれから 半年
またあの日と 同じ
秋風が 吹く

僕は ひとりバス停で
ありし日の君 思い

君と お揃いだったスカーフに
顔を埋める

秋風が さらりと僕とスカーフを
枯れ葉とともに 撫でていった

晩秋

#秋風

10/24/2022, 12:09:26 AM

いつか君が 見たいと言った
どこまでも 続く青い空

それがどこに あるのか
どうやったら いけるのか

当時の僕には まるで思い付かなかった

その方法を 探しあぐねた頃
君はひとり

どこまでも続く 青い空の彼方へ。
お気に入りの 自転車に乗って。

………………いってしまった。

僕を おいて。

『さようなら。これからも
元気で 生きていくのよ』

の言葉すら 残さずに

僕は ひとり、大地を 踏みしめ
君が いってしまった 空の彼方を

物憂げに 見上げる

一枚の 枯れ葉が
風に乗り、僕の 頬の涙を
掬い上げて いった、晩秋

#どこまでも続く青い空


10/12/2022, 11:49:27 PM

つまらない授業を 終わらせる
チャイムが 鳴り
皆 一様(いちよう)に 帰路に着く

その中で 1人 僕は残り
君が 座って居た机を 見つめる
君の 笑顔の幻を 見つめる

可笑しいだろ
こんな 時代に 純愛なんてさ
ネットさえ 繋げば
簡単に 『恋愛』が 手に入る

こんな ご時世なのに、さ

夕暮れ色の オレンジが
静かに 教室を 染めていく
僕の心も 染めていく

誰も居なくなった 教室で
僕は小さく 恋の歌を歌う
君に届く事は 多分 無いけど

可笑しいだろ
こんな時代に 純愛なんてね
ネットさえ 繋げば
簡単に 告れる

そんな ご時世なのに、ね

小さな 歌声が教室に響く
いつか 君に届けば
こんな 幸せな事はない かも
そう 感じた

ある日の 放課後


#放課後


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