「背中側は任せろ、俺がきっちり守ってやる」
この場所は知らせてないのに、いつの間にかアイツが俺の後ろにいた。
「お、お前、何でここにいるんだバカヤロウ。」俺がそう言うとアイツはフッと笑って「ダチだろ?」と言った。
つまらない話だ。2人組が高校生をカツアゲしてたから、そいつらを伸してやった。
そしたらそいつらが仲間5人を引き連れて俺にお礼参りにきたと言うわけだ。
相手は7人。無傷で帰るのはさすがに無理か。ボスはどいつだ?
そう思っていた時にアイツの声がしたのだった。
「ヒーローかよ。かっけーな。」俺が言うとアイツは「貸しな?」といって再び笑った。
あまりに笑顔だったのが相手の気に障ったらしい。
「余裕こいてんじゃねーぞ、コラァ!」
相手の1人がそう言うと7人が一斉にこちらにむかって走り出した。
バーカ、俺ら2人いたら最強だぞ?
俺は安心して背後をアイツに委ねると、リーダー格の野郎に右ストレートをねじ込むべく、走り出した。
お題「友情」
定年退職後やることもなく、TVとスマホを眺めるだけの日々に、業を煮やしたのは妻の方だった。
「これ、申しこんで来ましたから、あなた明日必ず行ってください。あなたに拒否権はありません。」
口を開きかけた私に妻は追い打ちをかけるように容赦なく言った。「つべこべ言わずに行く!」
妻が申し込んだのは、カルチャーセンターで開かれる絵画教室の1日体験コースだった。
何で絵なんだよ。描いたことなんて中学校の美術の授業までなのに。
そう思いながら受け付けで指示された部屋のドアを開けると、年配の女性ばかりの視線を一身に受けた。すぐドアを閉めて帰りたかったが、講師らしき老紳士がにっこり笑って私を手招きした。
「8、9、10、これで全員そろいましたね。」
クロッキー帳と6Bの鉛筆がそろえられているデスクにつき、簡単なデッサンをすることになった。
何を描いてもいいというので、用意された果物ではなく、私は自分の左手を描くことにした。
「こんな手をしてるのか。」
「よく観察することは大切です。」老講師が私を見て言った。
描き始めたデッサンは、実際より指が変に太くなったり爪の形がおかしくなったりで、自分でも丸めて捨てたいようなできだったが、久しぶりの「お絵描き」は何だか楽しかった。
「皆さん、どうでしたかな?今日は具体的なテクニックではなく、絵を描くのは楽しいことだと感じていただけたら大成功です。人やものをよく観察し描き続けてみてください。」と老講師は最後に言った。
ご婦人方と互いの絵を見せ合いよいところだけを褒め合うというのもありがたかった。
3時間はあっという間だった。
老講師に「こんなに下手クソでも教室に入会できますか?」ときくと、「下手も上手もありません。あなたの個性なんですよ。それにあなたは観察力がおありのようだ。テクニックを覚えれば、もっとあなたの思うように手や筆が動くでしょう。歓迎します。」と言った。
やってみようか。妻は何て言うだろう。
帰り際、受付で入会案内書をもらうとそこには、美しい野草の花が一輪咲きほこる絵が描かれていた。
お題「花咲いて」
宇宙の始まりなるものがどういう現象なのかを見に行き、宇宙の終わり(果てではない)がいかなる現象かを見に行く。
行ったところで干渉できないのだから、絶対に干渉のしようがないところなら見に行くかも。
お題「もしもタイムマシーンがあったなら」
君のすべて
お題「今一番欲しいもの」
さて、どうしましょうか。
投稿ネーム。
お題「私の名前」