枝守

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2/13/2024, 1:36:46 PM

待ってて


赤い毛をひとつにくくりながら、あの手紙のことを考える

1000年たっても忘れない、と書かれた文字は少し右肩上がりで、どんどん間隔が狭くなっていっていた。
あの栗毛の子は文字のくせが強いのだ。

知らない人から突然渡された手紙は、見覚えのある字形
待っている、と言ったあの子はもういないことを知った。






あの子の口癖だったのんびり行こう、を私の口癖にして
赤いネックレスを握りしめ、宿を出た。



雲は歌のようにくるくると渦巻いていた。










(過去の投稿から「1000年先も」がテーマの文章を読むことを推薦します)

2/12/2024, 11:15:17 AM

伝えたい


上から照りつけるライトが、緊張に拍車をかける。
うるさい心臓を鎮めるため深呼吸をする。

ステージの上ではみんな私と似た表情をしていた。
年に1回しか開催されないコンクール。
今日まで練習に練習を重ねてきた。



トロンボーンを構え息を肺にためて、





音を届けるステージの始まりだ。

2/11/2024, 1:06:17 PM

この場所で


ここに来てから2ヶ月たった。歌を歌う君と一緒に歌ううちに、私まで歌を歌うようになってしまった。
歌い方のコツや、ハモリのやり方を教えてもらったりもした。

雑草さえも焼く太陽を背にして、ひたすらに君と歌った。

結局旅の果てなんてなかった。自分がそうと決めつけるまで旅は続く。




この場所でずっとずーーーっと、生きていければいいのに










そこで私は目を覚ました。







(過去の投稿から「旅路の果てに」がテーマの文章を読むことを推薦します)

2/10/2024, 4:00:00 PM

誰もがみんな


僕は君に愛されたいだなんて思っていない。
君の周りの人は君を好きでいたようだけど、
それが全人類にも適用されると思わないでほしい。


君にあげた造花だって花屋が見つからなくて
百均で買ったものだ。
君はそれに気づきもしなかったけど。


捨てられないな、とかほざいてるんだろうか。
ああ、イライラする


新しい彼女は束縛が激しくないといいな。







(過去の投稿から「花束」がテーマの文章を読むことを推薦します)

2/9/2024, 1:45:30 PM

花束


生花だとすぐ枯れちゃうから、と造花の花束をくれた。

君がいなくなった今これはどうすればいいのかな

さすがに捨てるのは薄情かな




あーあこんなんじゃ一生忘れらんないじゃん

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