『バレンタイン』
今年のバレンタインは絶対にあの子に…!!!
なんてことはない。
いつも通り友人と話して帰るだけの日常。
でもこんな日常がチョコよりも甘くて、ほろ苦い、そして大切なものだから。
また来年も、みんなと甘酸っぱい青春のバレンタインを
『待ってて』
私の友人はよく待ってて、と言う。
例えば…漫画を貸したとき
「あぁ…ごめん!もう少し待ってて!」
予定に遅刻しているとき
「ごめん待っててくれない?!」
私はこの言葉にうんざりしていた。
どれだけ待てばいいのか。
そろそろ友人と縁を切ることを考えるべきだろうか。
何度言っても直さない友人に腹を立てた私はついにそう考えた。
そんなある日のこと。
友人は私を小さな公園に呼び出した。
「何?」
また何か貸してとでも言うのだろうか
そんな考えは的中することはなく
「これ!」
今まで貸してきたものとアイス、そしてお詫びと書かれた手紙
「え…」
私はつい驚いた。
何故なら貸した漫画は異常に綺麗で新品へと変わっていたから。
「…ごめん、」
彼女が謝りながら事の顛末を話す。
彼女の家は貧乏で、漫画なんて珍しいものだった。
だから彼女は弟や妹にも読ませてあげようと思ったのだと。
だが彼女が目を離した間に弟が漫画を汚したのだと。
拭いてもどうにもならない汚れを見て私に返せないと判断。
時間が少しでもあればバイトを詰めていたそう。
そんな中弟達の世話もしていたらしく彼女は言わなかったが私はそのせいで遅刻したのだろうと察した。
そうして貯金を貯め、漫画を購入そして今までのお詫びとしてアイスをつけたのだと。
「…はぁ、あんたさぁ」
私は溜息をつく事しかできなかった。
「アイス買うお金あるなら弟達に食べさせなよ
私に奢るのはあんたがもっとお金持ちになってからでい
いよ」
「!うん…!ありがとう…今度こそ、約束破らないから、待ってて!!」
『伝えたい』
私の言葉は昔から伝わらなかった。
いや、伝えられなかったの方が正しいだろうか?
私は昔から自己主張が少なく意見を言えない子供だった。
それは今、学生となっても同じ、好きも嫌いもハッキリと言えないのだ。
そんな私が今ここで伸び伸びと考えを書ける。
誰かに伝えられる。
あぁ、よかった。
私だって考えを伝えられるんだ。
意見を言えない世の中の人達に伝えたい。
言葉じゃなくてもいい、音楽でも、絵でもなんだっていいだから羽を伸ばして気持ちを伝えてみてほしい、と
『この場所で。』
「あぁ、死ぬならどうかこの場所で死にたい」
いつだろう、私のその考えが変わったのは。
私は一時期悩んでいた。
人間関係、勉強、自分の趣味、何もかもが上手く行かなかった。
だから、死にたいと強く願ったんだ。
そして、願わくば思い出の場所で死にたい、と。
だが時も経てばそんな考えは変わった。
私の恩人とも呼べる液晶の向こうにいる人、その人の優しい言葉にあたたかいと感じる声に励まされた。
おかげで私は今では
「この場所で、どうかこの場所で貴方が守ってくれたのだと伝えたい」
そう、思えているのだ。
誰もがみんな考える「明日」
私はいつも明日はどんなことがあるのだろうかと考える。
それは嫌なことか、楽しいことか。
どんなことにしても皆考える「明日」のこと。
皆見るはずの明日は人によって見え方の変わる。
同じ明日なんてない。
だって皆それぞれ進化していくのだから
私達は皆「明日」を見ながら「今日」という日を踏み越えている。