諦めるための、いっぽ
勇気を踏み出すための、いっぽ
これで終わりなのか。
今から始めるのか。
できるなら、きみの背中を押せるように。
できるなら、僕の糧となるように。
たとえ、踏み出した先が崖や壁であっても、
踏み出したという事実はきっと僕らの「希望」になる。
足をとめないで、とはいうけども。
ただ、そんなものはきれいごと
世の中それだけじゃ生きていけないし、
どうしても動けなくなる時はある。
止まったっていい。座り込めばいい。
そしたらまた、足踏みから始めよう。
いーち、にー、いーち、にー。
「あと一歩」が続けばきっと大丈夫。
ほらね。
『もう一歩だけ、』
私を救いあげてくれたあの手の温かさ。
いつも助けてくれたその手は、緊張からか冷たく感じたけど。
世界でいちばん温かかった。
「大丈夫」「頑張ったね」と伝えてくれたあの声を。
ちょっと低くて、心の奥底に響くような。
世界でいちばん安心するの。
キリリとした目元。威圧感を与えるような視線
だけど必ず目を合わせるように、してくれた。
世界でいちばん愛してるを伝えてくれた。
怖いこわいと引きこもる私の傍に、そっと寄り添って
私が動き出すのを待っててくれた。
世界でいちばん落ち着く香り。
全部、あなたが私に教えてくれた。
全部、全部あなたが私にくれたもの。
「愛してる」と言葉にせずとも伝わるものがあると、
それでも言葉で伝えることが大事だと教えてくれた。
あなたがくれたものぜーんぶ私の宝物。
私の生きる意味。
『きっと忘れない』
産まれてきてくれたこと。
出逢ってくれたこと。
ほんとうに、奇跡だと思うの。
この広い、広い世界であなたと出逢えた。
嬉しくて、うれしくて、涙が出てきたのよ。
私の愛しい子。
産まれてきてくれてありがとう。
出逢ってくれてありがとう。
お誕生日おめでとう。
『なぜ泣くの?と聞かれたから』
人は感情を音で表す。
急いでいる時は「スタスタスタ」
怒っている時は「ドスドスドス」
嬉しい時は「ぴょんぴょんぴょん」
わくわくしている時は「てくてくてく」
人が歩くところには跡が残る。
人がいるところには音が残る。
人は軌跡をつくり、奇跡をねがう。
楽しいことばかりではない。悲しいことばかりではない。
怒り、焦り、不安から涙することもあるだろう。
音がとまることもあるかもしれない。
ただ、君の行先が「たのしい」音で溢れるように。
ただ、君の行先が「うれしい」音で溢れるように。
しあわせであふれるように。
この先も「おと」であふれるように。
「足」を踏み出す「音」を聞き逃さないように。
『足音』
青い空と入道雲
蚊取り線香の匂い
扇風機で揺れる風鈴とセッションする蝉
真っ赤なスイカ
庭に咲く朝顔と向日葵
おばあちゃん家
『終わらない夏』