10/10/2025, 11:32:20 AM
『友だちの詩』
手を繋いでいるだけじゃ
たぶんきっと
だめなんだ
ちゃんと自分のことばに
じぶんの声をのせて
じぶんのリズム
じぶんのおもさをのせて
たぶんきっと
一人で剣を握ったら
たぶんきっと二度と離せない
たぶんきっと
剣は一人で持つものじゃない
手を繋いでいるだけじゃ
たぶんきっと
10/10/2025, 7:47:01 AM
『肉食』
今日も殺した殺した
今日もお前と笑えるわ
今日もお前らと話せるわ
今日も何故か花が咲いてるわ
10/8/2025, 7:04:27 AM
サナギ
幾きせつが過ぎ去っても
春の折り鶴
冬の前の川のながれの
銀色のきらめきと
霞んだ赤むらさき
本当は大人にするはずだった
どろどろとした涙を
受け止めるすべも無く
今はこうして流しているんだ
9/30/2025, 3:58:48 AM
『不屈』
幾度も裏切られたけど
この身体が治っていくように
輝きを取り戻していく
言葉がある
たぶん人は
それを持って
産まれてきている
僕のどこかでまた
赤くなった気がしている
きっと大丈夫だ
9/26/2025, 7:01:28 AM
『蛸』
まな板にきらきらした瞳孔の
粘りの残った磯の香りの蛸に
銀にひらめく包丁でつんざいた
蛸は驚いたが余る脚で
私の満ちた指に
思い切り絡んで
持て余した吸盤で
私の生命の末端を
吸い込もうとした
私は余った手の中指の付け根の
でっぱった骨を
蛸の眉間に叩きつけた
ジッと生命が割れた音がした
こうして蛸は私の知らない
私のどこかへ
ぬめりもなく流れ去っていった
あすの予報は
雨の心配は無いと
そう聞いた