須藤 東

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7/22/2025, 1:47:31 AM

『星降る夜を』

泣かずに目を覚ましたおまえを
抱えてそっと窓を開けて
星降る夜をひろげて見せる
おまえは潤んだ黒い瞳の奥に
いっぱいに満たしてくれ
大人になったとき
夜は二度と戻ってこない
朝がずっと来るだけだ
太陽がすべてをぎらぎら沸騰させて
すべてが眩しく輝いて見えてしまう
この世界の一点のどこかで
おまえも自身の価値を見つめ直す
その日にきっと苦しむ時が
来るのかもしれない
太陽の猛る光の日だとしても
お前の瞳の奥にあるものが
輝いていることを忘れて
自分を責めなくてもいいように
一生ものの今夜の星降る夜を
おまえの愛しい無垢な瞳に
わたしは捧ぐ

7/12/2025, 1:21:46 PM

『生きていく背中』

生きていけなくても
羽ばたけたのなら
生きていけなくても
それに愛された人生なんだよ
死者がそれを平気に笑うな

7/1/2025, 10:27:09 AM

「ぼくはやがて詩になる」

ぼくはやがて詩になる
ことばのない三行ほどの
みじかいみじかい詩になる

6/28/2025, 12:31:12 PM

「夏はぜんぶ輝いている」

夏はぜんぶ輝いている
ひとつひとつが
絶対的に輝いている
この胸も燃えて
わたしも輝いている


6/23/2025, 6:08:29 AM

『塩水』

みんな「一番」という
塩水の味を飲んだから僕ら少々
いつも喉が渇いたままになった

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