須藤 東

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2/10/2026, 11:30:13 AM

『ガラスの君』

数年前から
部屋の片隅に
ガラスの君がいる
窓辺に朝日が
カーテンの切れ間を縫って
君を光らせる
わずかな光の中で
ようやく君を抱きしめる
腕力を手に入れた
抱きしめた瞬間
君は暗い部屋に散らばった

2/7/2026, 12:20:46 PM

『まもる』

僕らは勉強して知識をつけて
そしていろんな笑顔を学んで
僕自身の生命の重さに
足し算を繰り返してきたけれど
たとえばミツバチが
自分の肉体よりも
大きな体躯(たいく)の獰猛を
よってたかって囲い込んで蒸し殺す
ミツバチはその時
自身の生命の重さなど
ろくに考えもせずに
僕らは重さよりも
いつ僕らの生命は軽くなるのか
海は響くのか
瞬く星は泣いているのか
突きつけられたまま生きている

1/16/2026, 8:20:37 AM

『奇跡』

喉元過ぎれば...
なんて言葉が
歩けば道端に落ちていて
風に吹かれて
どこかに飛んでいく
ひりついた手で
冷たい鍵を下ろして
窓を開ける
さっと明るい青空が
窓の枠を超えて広がる
夜はいつも喧騒が好きだが
この世界は
雨の日もくもりも雪も
生きていくものなのだ
生き抜くものなのだ
それでいいのだ

12/4/2025, 10:43:55 AM

『ガラスの手紙』

君からもらった
ガラスの手紙
君の思いが
インクに染みて
書かれたガラスの手紙
そこに僕は君の
好きって言葉を
何度も読み返して
今も今日も僕は探す

12/1/2025, 7:03:47 AM

『手』

君と手を繋いだ瞬間
熱いレモンが
握り潰されたように
そこから熱い果汁は
ゆっくりと冷めていくように
会えなくなる日に
近づいていく
それを急かすように
わたしの記憶は
たしかあれから
長い雨

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