私は大人の鎧を着た少女のまま二十歳を迎えた。
関わる人から発される「真面目」「いい子」「優しい」そんな褒め言葉たちが幼い私を大人びさせた。
そんな私だからいいんだ、そんな私を求めているんだ、そう思い込んで、
思いっきり全力で、
未熟な頭を精一杯回転させて、
演じた。
幼いわたしはついに誰にも見つけてもらえないまま、
鎧の中に姿を隠したまま、
二十歳を迎えた。
この鎧を脱がせて欲しかった、
全部ありのままの私を認めて欲しかった、
ただそれだけ。
本当の私はずっとここにいるのに。
願いが1つ叶うなら、本当の私を見つけて抱きしめて。
本当の私。
弱くてずるくてだめな私を
隠して生きてる。
強くて真面目でしっかり者の私。
私は私を演じてる。
とびきりの大女優。
作った笑顔がどんどん顔に馴染んでいく。
我慢した涙が心の傷を疼かせる。
巷で私の演技は大絶賛されるから
“私役”の私は
これからも第一線で輝き続ける。
泣いて泣いて泣いて
静かに、ごく静かに
静かな夜明けを待った日があった。
明けた夜はくすんでいて、
暗くて、灰色だった。
私の世界から色がなくなった。
人は傷つくために生まれたのだろうか。
誰にも言えない、
誰にも話せない、
そんな感情をスマホに託す。
スマホは手のひらに収まる宇宙かな。
この感情を、
この考えを、
理解してくれる人がいるかもしれない。
傷つかないと生きていけないのに、
傷つくことで生きるのをやめたくなる。
あまりにも残酷だよ。
心の傷が癒えるのは本当に時間がかかる。
時間をかけて閉じた傷から、
ふとした時に血が滲むこともある。
幸せになりたいと願い流す涙は、
その傷を証明するのかもしれない。
傷を抱えて、
そのままの自分で幸せをつかむそのときまで。
何でもないフリをするのが上手いって言われたことがある。
でもそうなるにはそれなりの過去があって、
そうしていないと心を守れないような瞬間があって、
そうすることで誰かを救うことがあったからなんだよ。
誰かを傷つけるくらいなら、
自分が傷つくほうがましだって思う。
こんなの弱い人間の考えなんだろうけど。
それでも私はこう言う人間だから、
弱くても、脆くても、
今日もまた何でもないフリをして生きていく。
気づいてくれる誰かが現れたとしたら、
私はその人の過去に寄り添いたい。
きっと同じ種類の人間だと思うから。