母は韓国ドラマが好きで、平日の再放送を毎日観ている。
コマーシャル長いのによく辛抱して観てるなと感心する。
夕食時間になるとわたしにドラマの内容を語ったりする。韓国ドラマが面白いのは知っているが、母の語りは長いしあまり面白くない。要点を話せば良いのに、あの人がこうしたとかこう言ったとか事細かに話すのだ。
まあでも母は楽しそうだし、こういう時間も大切にしたいとは思う。これからも沢山語ってほしい。聞いてるフリは得意だから。
わたしの部屋のドアノブにジャンプして、中に入り込んでいた愛猫。ベッドに寝るわたしを見上げて「にゃ〜お」と一声。目を合わせると「にゃー」ともう一声発して去っていく。それが朝のルーティンだった。
起きてって一声かけてくれるのは可愛いしありがたいのだけど、実はその時すでにバッチリ目が覚めてるんだよね。ドアノブをガッチャンと開ける大きな音で。
昔一度、検査で入院したことがある。
4人部屋だったけど、挨拶程度にしか話さなかったから一人音楽を聴いたり携帯を見たりしていた。
夜中になっても一向に眠れない。一日ベッドにいるだけだから眠くならない。辺りは静寂な闇。誰の寝息も聞こえない。灯りを消していないのはたぶんわたしだけ。ベッドを囲むカーテンに映る自分の影をじっと見つめた。手で影絵を作ってみたりした。
何故か涙が出た。心細くなったのか、帰りたくなったのか。ただ、そこでは静寂と影がわたしを独りにしていた。
明日、もし晴れたら君に会いに行きたい。
梅雨空みたいなわたしの心を明るくしてくれた、
太陽みたいな笑顔の君に。
梅雨が明けた。明日はきっと、晴れるよ。
友達が少ないから、どこに行く時も一人が多い。
大好きなカフェも、映画も、買い物も、いつも一人。
一人の時間は嫌いじゃないけど、とても好きってわけでもない。
一人でいることがただ、平気なだけ。
本当は誰かと一緒にいて、色々な事を分かち合いたい。