3/24/2024, 3:27:39 PM
『ところにより雨』
はなれて暮らして三ヶ月になる。
電話は毎日するし、なるべく会いに行く。
だけど、ふとした時に、思うのだ。
そばにいてくれたらなあって。
天気予報を二ヶ所気にする癖がついた。
明日は曇り。ところにより雨。
あの街は、降らないといいなと思う。
二年が経ったら迎えに行って、一緒に住もうと持ちかけるつもり。
もしも雨でも一緒なら、きっと楽しいからさ。
3/22/2024, 12:56:12 AM
『二人ぼっち』
ステージライトが煌めいている。
彼の瞳には僕が映り、僕の瞳には彼が映っている。
マイクを通して二つの歌声が重なり合い、混じり合う。
数万人の観客も、スタッフもダンサーも気配を消して。
今この時は、二人ぼっち。
3/21/2024, 4:36:58 AM
『夢が醒める前に』
好きだと告げると彼はふわりと笑った。
あれ、びっくりしないんだ。
「もう一回言って。夢が醒める前に」
馬鹿だな。夢じゃないよ。
何度だって言ってやる。
「大好きだよ」
3/19/2024, 11:16:05 PM
『胸が高鳴る』
「あなたの書くお話が好きです」
SNSで知り合った、うんと年下の友人は、大切なことを打ち明けるみたいにその言葉を言ってくれた。
誰かにとっては取るに足らないことかもしれない。
でも、心の柔らかいところがありがとうって叫んでいた。
胸が高鳴る。
3/19/2024, 3:03:07 AM
『不条理』
世の中は、不条理だ。
努力は報われないし、正直ものが馬鹿を見る。
それでも、だからこそ、ハッとするような奇跡がごくまれに目の前に現れる。
例えば、僕と君との出会いみたいな。