手紙を開くと、最後から始まっていたから、
嫌な予感はしていたが、これはラストメッセージ
それも、僕宛のモノであった。
『最後、ラストメモリーなんて、甘い音聞き、
虫酸が走るような気もするけど、聞いてね。
私は、貴方に救われた、確かに、嘘ではない。
けどね、貴方に一つだけ嘘を付きました。
それは、貴方の秘密について、知らないと言い
はぐらかしましたが嘘です。すみません。
今更ながら、答えましょう。貴方の本当の名前
正体も全て。貴方は人柱。名前は、終夜。
そう、あの儀式で犠牲になったと言われていた
例の人物が貴方そのものなのですから。
あとは、何も知りません。すみません。
本当にごめんなさい。許してください…』
後の言葉は字が滲んでいて見えない。
本当の自分が終夜?意味が分からない。
"俺は、何をしたら人柱へとなったんだ?"
それだけが謎でしょうがない。ただ、今は、
それどころではないので、最初の関門に、
向かって行くしか選択肢はない。
すれ違う瞳、それに、惚れてしまった僕は、
秘密の恋の始まりを知ってしまった。
貴女と私の関係は主従関係であり、一生、
変わりやしないのだから、
"こんなにも愛おしくなるのは何故?"
降り積もる愛だけがそれを掻き立ててくれる。
青い青い、あの空へ、海へ、飛んで飛び込んで、
行きたいな、なんて、自分が言ったら、君は、
どんな反応を見せてくれるのか、楽しみだな。
何もかもに、つまらないとは思わないけども、
楽しみが少ないのは、事実であるので、少し、
欲も減ってきてしまったけども、君のお陰で、
まだ、減らずに済んでいますから、安心して、
君の期待には答えてあげるけども、君も自分に、
対して、何かをお返しできるから期待してるの、
それとも、無償の愛が欲しくてやっているの?
"それとも、ただの傲慢と強欲なだけ?"
ほら、こんな簡単な質問にも答えられないじゃ、
君はまだまだ、僕の期待には答えられやしない。
到底ね。でも、待っててはあげるから、早く、
自分の元へおいでよ。
sweet memories、あれは、もう二度と貴方と
恋は出来なくなった。
あの甘い飽和する夏に溶かされて、
溶けてしまった。
"あの二人だけの夏がまた繰り返す"
また、貴方とこの繰り返しをしてみたい。
風と、私は一つになりたいとさえ、思えた。
でも、私はそれにはなれなかった。
何故だと思う?
"私は、綺麗な精霊なんてなれないんだから。"
だから、もう。良いんだ。