これまでずっと嘘をついてきた。
やりたくなくても"いいよ"なんて言ったが
流石に疲れてきた。
俺は俺自身の仮面を被って偽りを演じている
ようにしか感じなくなってしまったからだ。
会社でも友達でも家族でもだ。
本当の自分を見てくれる人なんて居ないのに。
知ってたからこそ諦めたんじゃないか?
そんなことは知ってるからこそ苦しいんだ。
"お前こそ、そんなんだろ?
画面の向こうで読んでいる君にも当てはまるかも"
知らなくて良いなら、最初から聞くなよ。
はぁ、全く残念だ。
君とは仲良くなれると思ってたのに。
最初からなかったことにするから消えてね。
バイバイ。
一件のLINEがやってきた。
名前も知らぬ人から
"私は貴女のことが好きすぎて
毎日のように考えています"
と来たのだ。
誰だろうと思いつつ過去を振り返ってみると
昔、私に告白してきた女子の名前であった。
その子はいい子だがどこか行動がおかしい、
なんというかストーカー気質なのだ。
返信する気も起きずブロックをしたら
何だか嫌な予感がした。
帰り道には気を付けなくちゃ。
特に街灯の下には。
あ。
帰り道に見たのは、
その子が返り血で汚れた姿だった。
"見ちゃったね♡これからはいつも一緒だよ♪︎"
そこで察した。
私はこんな嫌な運命かよ。
長生きしたかったな。
目が覚めるとそこは夢にまで見た世界だった。
妄想だけで済ませていたのが叶ったのだ。
あぁ、愛おしいほどに待っていたよ。
みーちゃん。
君とお話がしたくてしてしょうがなかった。
"やっと話せるね。"
と言ったが、
彼女は………
"早く夢から覚めて皆が悲しむよ"
そう言われてはっとなって体を見た。
俺の体は透けていたのだ。
あれ?なんで俺が見えるんだ?
そっか、横断歩道で轢かれたんだ。
じゃあ、これは夢か。
な~んだ。残念。
私の当たり前、いつも勉強の総合成績で
赤点を取らないことだ。
しかもノー勉に近い状態でだ。
偉いでしょ?
もっと誉めて。
愛して。
そして、また頭を撫でて
"いい子だね"
って言ってよ。
お母さん。
寂しいよ…。
街の明かりか…。
俺にとっては日常茶飯事だから慣れたな…。
夜遅くまで働いて帰る時に照らされてると
何故か安心するんだ…。
今日も残業だ…!!
しっかりとやることやってから
また彼女の好きだった物を置かないとな…!!
あぁ、なんて虚しいけど楽しい日常だろうな。
また、寒い夜の下で貴女に恋い焦がれている
俺を許してくれ。