なばかり

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12/21/2025, 1:54:11 AM

零時
少し霧がかっていて
空は黒い幕をひいたような曇天だ
目の前にある街灯だけはやけに明るく
周囲の闇と自分だけが、他に存在しているようだった
孤独。固結び

六時
雨。
灰色の空の少し下。
せかせかと動く傘がひとつ、ふたつ。
大気もまだ寝ぼけているような柔らかい雨の匂いが
残酷に、平等に、今日が来たことを伝える。

七時
青が覗いた。
いっとき雨はやんで、それまで分厚そうに威厳を放っていた雲も、今はもう明かりを引き立てる前菜になりつつある。
人は、雨が止んだので手荷物が増えている。
傘、携帯電話、財布、レシート、ティッシュ、自由、責任、夢。
おじさんは忘れ物を取りに走ってるみたい。

十時
思い出したように雨が降り出した。
でも空は青いまま。
笑ったまま泣いた君を思い出す。
雨粒は光を反射し、わざとらしく輝く。
後悔、陸橋、狐の嫁入り。

12/17/2025, 8:58:35 AM

電気を消してもスマホを触るし
死にたいと言いながら洗濯物を干す

君の見た夢の中の僕はどんな顔して何を言うんだろう
それは僕なのかな

もう終わらせたいと言う
枯れた草を土に植え、水をやることが優しさで
枯れた草は怯える

12/15/2025, 5:24:51 AM

上か下かもう分からない
ずっと踏み出せなかった世界
この時間が永遠に感じる
やっと終わったんだ      こわい
風の音がうるさい     
震える。寒い          お
人生の今までがよみが       ち


          おしまい
          「星になる」

12/13/2025, 3:05:33 PM

シャワーが嫌いだ。
流れていく。彼の匂いと幻想が。
嘘みたいだ。全部。
こうなることは分かっているのに。

「ありがとう。気をつけてね。」
車が離れてゆく。
手を振る。
結局、また会ってしまったな。
彼の1番にはなれない。
分かってるのに、思い描いてしまう。
あのまま車に乗って、同じ家に帰る日々を。

私が悪いんだきっと。
彼は苦しまなくていい。
笑顔でいて欲しい。
あの人とはずっとお幸せに。

嘘だよ

夕焼け小焼けのチャイムが鳴って
よい子は早く家に帰りましょ
夕焼け小焼けのチャイムが鳴って
よい子は早く家に帰りましょ


「遠い鐘の音」
クリープハイプ、「キケンナアソビ」に誘われて

12/12/2025, 7:28:56 AM

「シアター」(夜空を越えて)

朝起きて、コーヒーを淹れる時と、映画館から出る時は似ている。
空想や夢の中にいた自分の思考が、緩やかに現実へ引き戻されるから。

シアターが明転して、映画館にいる私へと視点が動く時間。
さっきまで幸せそうに笑う主人公はそこに居なくて、それを見届けた自分だけ現世に取り残される。
それまでの星空が真っ白なスクリーンに変わる。


マグカップを持ってリビングへ。
リビングのテレビからは凄惨な世界情勢とか、節約レシピとかが雑多に流れている。
コーヒーを飲み干す。
脱ぎっぱなしだった上着を着る。

今、フォーカスは私に向いている。
もう星は見えなくても

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