零時
少し霧がかっていて
空は黒い幕をひいたような曇天だ
目の前にある街灯だけはやけに明るく
周囲の闇と自分だけが、他に存在しているようだった
孤独。固結び
六時
雨。
灰色の空の少し下。
せかせかと動く傘がひとつ、ふたつ。
大気もまだ寝ぼけているような柔らかい雨の匂いが
残酷に、平等に、今日が来たことを伝える。
七時
青が覗いた。
いっとき雨はやんで、それまで分厚そうに威厳を放っていた雲も、今はもう明かりを引き立てる前菜になりつつある。
人は、雨が止んだので手荷物が増えている。
傘、携帯電話、財布、レシート、ティッシュ、自由、責任、夢。
おじさんは忘れ物を取りに走ってるみたい。
十時
思い出したように雨が降り出した。
でも空は青いまま。
笑ったまま泣いた君を思い出す。
雨粒は光を反射し、わざとらしく輝く。
後悔、陸橋、狐の嫁入り。
12/21/2025, 1:54:11 AM