2/23/2025, 4:22:16 PM
『魔法』
天使にも似たあなたを、模倣する
言葉に溺れ、笑顔を貼り、生活を濁らせる
悪魔にも似たあなたを、模倣する
品性を踏み、怒気を携え、愉悦に横たわる
干上がる悲しみすらも寿ぎと見間違えて
軋轢の上で正義を冠する呪いを愛しては
やけに甘い泥水を吐き出しながら啜って
痛み止めにも満たなかった憎しみすらも
いつまでも、いつまでも唱え続けている
2/21/2025, 2:30:34 PM
『夜空を駆ける』
忘れないで
鉄塔の横を落ちていった流れ星の呼吸を
忘れないで
月の裏側に手を伸ばした瞬間のビル風を
忘れないで
凪いだ海を飲み込んだ夜空の騒がしさを
忘れないで
凍えまいと身を捩らせる雑草と空き缶を
忘れないでいて
涙が私を忘れた時
きっと、きっと思い出さないでいて
2/17/2025, 4:56:03 AM
『時間よ止まれ』
時計の針を指で重ねて、魔法を解いていく
歯車に振り落とされた人々の少し甘い涙は
錆を舐めるような聖歌をうたい続けたまま
焦げ付く匂いは乾電池の電極を間違えさせ
端っこにこびり付く永遠を醜くも奪い合う
ゆっくりと、ゆっくりと魔法は解けていく
止まった時間の中で私は何を後悔できるのだろうか
止まった時間の中で私は何を信じられるのだろうか
2/11/2025, 1:19:56 PM
『ココロ』
薄まったまま、不透明なまま
何か混ざりあった月日は私を満たしている
激しく脈打つ気持ちをいつだって押し流しては
いつしか忘れた抑揚をまだ追い求めていて
いつしか失った抑揚をまだ思い出していて
寂れ、剥がれていく
離れ、裂かれていく
抑揚の無い言葉はまだ、全身を這っている
2/10/2025, 1:31:45 PM
『星に願って』
ららら、ららら
白くて大きなマフラーに目を奪われて
ららら、るるる
ココアを1口飲んだらとっくに冷めていて
るるる、るるる
こんな街路灯の下では何も見えなくて
るるる、ららら
流れ星にすら願う何かも見失っていて
ららら、ららら
雪に混じったこの白い息ですらもいつか
ららら、らららら
溶けていくのだと、知った