ドアを開ける。ガチャりと大きな音がする。
靴を脱ぐ。別の靴に当たる音がする。
廊下を歩く。足音がする。
もう一度ドアを開ける。今回は少し静かに。
電気をつける。パチンと音がする。
「ただいま」と言う。
────静寂に包まれた部屋
嫌だ嫌だ嫌だ。
好きになんかなりたくない。
好きなんかじゃない。
私にはもう好きな人がいる。一年前に好きになった人がいる。
だから、だからだからだから、ちょっと一緒にいただけで、数日一緒に作業していだけで、好きにならないで。
私にはもう、好きな人がいるの・・・・。
────大事にしたい
私たちは滅びようとしている。このままでは私達の生きた足跡が完全に消えてしまう。
私はそれが嫌で、どこかに残したくて、生きていたって知って欲しくて、宙を飛んだ。最後の一人で。
でも、その夢も今や空気とともに尽きようとしている。何度も見た暗い空間とともに、燃え尽きようとしている。
嫌だ、そんなの嫌だ。焦げる匂いにまみれ、私は諦めようとした。
けどそんな時、見つけたんだ。小さな小さな星が。
そこに生物が住んでいるのか分からない。何千もの星にたどり着いたが、例外なくそこに生物はいなかった。
でも、見つけたんだ、最後の星。そこが夢の終着点でなくてもいい。ここで諦めて消えるか、挑戦して絶望して消えるか。
だったら絶望してやるさ。どうせ最期だ、ありったけやってやんよ。宇宙よ、こっちは力を振り絞ってやるからな。
────命が燃え尽きるまで
恋をしました、一年前に。
告白しました、半年前に。ちなみに振られました。
好きな人に元カノができました、二ヶ月前に。半年付き合っていたそうです。
そしてもう一度告白します、今日の昼に。
好きな人の幸せを願うのは当然のことだと思います。しかし、私は彼に元カノができた際、喜んでいました。これは私が喜んでいいことなのでしょうか。私は人の不幸を笑う人間に落ちぶれてしまったのでしょうか。
そんな人間が、彼に二回目の告白をする権利があるのでしょうか。彼の気持ちを考えられているのでしょうか。今度こそ相手から嫌われていたらどうしましょう。
でもきっと、これでいいんです。人は恋をすると慎重になりすぎるんです。恋愛相談をしてくれた人も積極的に行こうと話してくれました。三回目の告白までは大丈夫だとも言っていました。
私が彼のそばにいる権利があるかどうかは、きっと今から彼が答えてくれます。
────本気の恋
私は、やりたいことは全てやり、後悔のない人生を送りたいと思っている。一日一日が充実し、どんな日かけがえがない、そんな人生を送りたいと考えている。だから私は日めくりカレンダーを買った。
しかし、そんなことは案の定難しい。時間をいつでも出来るようなくだらない事で溶かし、一日を無駄に消費していく。こうして日がすぎるのが嫌で、気づけば夜更かし癖がついた。
そして、日がすぎる実感をしたくなくて、カレンダーをめくるのを辞めた。今、私のカレンダーは半年前で止まっている。
────カレンダー