【心の灯火】
自分は報われても他人は報われない。
イカれた世界に、僕は唾を吐いた。
みんなに笑顔を届けたい。
だから、僕は認めたメンバー脱退。
メンバー脱退後、さらに世界から注目を浴びる。
『メンバー脱退後、大規模なること思ってましたか?』
「はい。思ってました。」
【香水】 ※あるドラマを元に
「…あれ、先生、香水つけてます?」
「はぁ?つけるわけ無いだろ。」
あんなの金の無駄、と吐き捨てるように言った。
でも、どこか優しくて落ち着くような匂いを纏っている。
「柔軟剤でも…こんな匂いはしませんよね…」
「っておい…ここ仕事場だぞ。」
抵抗する先生を抱きしめ、首筋に顔を埋める。
すると、優しくて落ち着くような匂いを強く感じた。
「ああ…先生自体だったか、」
「何言ってんだ、お前は。」
【海へ】
仕事を終えた僕は先輩を連れて、近くの海へ来た。
夏が終わり、少し肌寒い季節に変わり体調を崩しやすい。
「…好きです。」
「知ってる。」
「付き合ってください」
「…別に、いいよ、」
顔が赤いのは、肌寒いからなのか分からないけど
その小さな身体に腕を回し包み込む。
「…体温、高いな」
「厚着越しでも、伝わるもんなんですかね?」
【裏返し】 ※あるドラマを元に
「先生!一緒に昼食食べる約束したじゃないですか!」
「うっさい。あんな人混みん中、行きたきゃねえよ。」
僕はあの二人の関係を知らない。
元指導医と研修医、ぐらいしか知らなかった。
でもやけにあの二人の距離が近い。
僕の心臓は、締め付けられるような痛みを最近覚えた。
「楽しそうだね、僕も混ぜてよ」
君たちを見ていると、
得意の笑顔が出来ているか不安になるよ。
【空模様】 ※あるドラマを題材
僕の尊敬する医者がここを去ってから二年経った。
未だに忘れられない、あの顔に性格に声に行動に。
あの人は多くの患者を救ってきた。
あの人は多くの医者を殺してきた。
早く会いたい。でも居場所はわからない。
あの人は、すぐに消えてしまうような儚さを持っている。
不意に煙草の匂いがした。
…そうだ、あの人の実家に行けば居場所は分かる。
そう思い立ったとき、あの人に似た誰かが横切った。