【空を見上げて心に浮かんだこと】
「…あっつ、」
夏も本格的になり、猛暑日が続いていた。
「…眩しいし…早く雲、太陽を覆ってくれよ、、」
…去年の今頃の夏、俺の親友は死んだ。
運動好きで、みんなから人気者でいつも笑顔だった。
『太陽くん』と言われているような彼だった。
「……俺の心臓、お前にならあげれたなぁ。」
そう言ってから、ある言葉を思い出した。
『心臓なしで生きられたらな。』
【梅雨】
梅雨は頭痛が激しくなるから嫌いだ。
微妙な天気に微妙な気温。嫌になる。
「ね、一緒に昼寝しよ」
「…時間的に昼寝になるけど、天気は昼寝じゃないな、」
「……眠い、」
「寝ろ。寝るために布団に入ったんだろ」
「抱きしめて」
「…ん」
「んへへ、あったかい…」
でも、梅雨は恋人が甘えてくるから嫌いじゃない。
【「ごめんね」】
彼の口癖は「ごめんね」。
何かあるごとに「ごめんね、気をつける。」とか
「ごめんね、ありがとう。」なんて。
そんな彼の口癖が気に入らなかった。
なんで悪いこと一つもしていないのに謝るのか。
でも、少しだけわかった気がした。
あれは彼なりの“誰も傷つけない優しさ”だ。
でも、時々疲れてしまうことなんて日常茶飯事。
【子供のままで】
「子供のままでいたい」
「…僕も」
「雨降ってる…傘持ってきた?」
「え、持ってきてないや…」
「…雨ってこんな冷たかったっけ」
「大人に近づくにつれ、身なりに気遣うから
雨に濡れなくなっちゃうんだよね」
「…お前はずっと雨に当たってんのかよ」
「…うん。雨に当たってるときだけ自分が
惨めに見えるんだ」
【刹那】
悪気なく「頑張れ」って言ったら
投げ捨てるように「うるさい」と言われ
悪気なく「努力は報われる」って言ったら
鬱陶しそうに「お前に何がわかる」と言われ
悪気なく「死にたい」って言ったら
優しく「頑張れ、努力は報われる」と言われる。