【君と一緒に】
「死のう」
そう伝えてきたのは突然のことだった。
「…話、聞くよ」
「ねぇ、一緒に死のう」
「…」
「君と一緒に死にたい」
その言葉。絶対に信じてはいけないことに気づいた。
「違うでしょ。“一緒に生きたい”…でしょ」
「…やっぱ、、大好きっ…」
『大好き』って言葉…正直嬉しくなかった。
なぜなら僕には、大好きな妻に子供もいるから。
【冬晴れ】
「今日、外すっごい晴れてるよ」
「…だからなんだよ」
窓の縁に手を置いて外を眺めている君の元へ行き
後ろからソッと優しく包み込むように抱きしめる。
「…雪…輝いて見えるね、」
「外ばっかじゃなくて俺だけ見とけよ」
君をこちらに引き寄せて床へと倒れ込む。
君のその幼い笑顔をこれから先も独占できることに
少し、興奮を覚えた。
_監禁生活 365日目
【幸せとは】
「“幸せ”…ってさ、なんなんだろうね」
「どしたの、急に」
「あ、このレストラン行ってみたい」
「え〜?結構高級そうじゃん…」
「どう?前に言ってたレストラン!」
「…とっても素敵だよ、今すっごく“幸せ”」
【日の出】
「綺麗だねぇ〜」
そうベランダの柵に腕を置いて頬杖をつく君。
「でも、こんな大の大人が男二人だけで日の出を見るのは…ちょっと見苦しくないか?」
「はは、確かに。でも俺たちが幸せなら良いじゃん」
そう言って君の頬を擦る。
「付き合ってもないくせに…」
__別に君のために先走ったって良いんだよ。
【新年】 (前回のと合わせるといいかも)
「新年あけましておめでとう」
そう彼の前でお決まりの言葉を言う。
「今年はね、君より素敵な人に出会おうと思うよ」
君よりも素敵な人なんていないんだよ。
「ねぇ…ううん、やっぱなんでもないや、」
本当は、凄く寂しくて苦しくて辛いんだよ。
「…プロポーズするのが目標だったんだね。」
目標達成する前に、亡くなってどうするんだよ。
「君となら…将来を共にしても良かったな、…」
なぜなら、君が大好きだったから。