路傍の礫

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4/27/2024, 9:04:59 PM

見つからぬ"生きる意味"を
探してまた今日を生きる

4/11/2024, 3:09:22 PM

『言葉にできない友人の話』
 
 私の友人は『言葉にできない』という表現を、使いすぎだ。今日だけで、三回は聞いた。パフェを食べて一回、桜をみて二回、豪雨に打たれ三回。 
 講釈垂れるつもりはなかったが、今は絶賛雨宿り中、そろそろ話題もつき暇になってきたので、話に出してみる事にした。
 
「実際、言葉にできないものなんて、一つしかないと思うんだ」

「どしたの急に?」

「いや、そういう感情表現ってのは分かるよ? でもさ、何回も使うものじゃなくね? 使用限度とっくに超えてるよ?」

「あー、うん……確かに……」

「もはや、ただ感情を言葉に変換できない奴にしか思えんし」

「辛辣やな……」

「使うとしても、時と場合と適切な使い方をだな」

「まあそうなるかー。あの……言い訳していい?」

「言い訳?」

「実はそれ、お前に言ってたわけじゃなくて、幽霊に言ってたんだよね……」

「幽霊……そういえば霊感あるっていってたな」

「ここ最近な、ある霊に付き纏われててさ、なんかことあるごとに感想求めてくんねん」

「はあ……」

「んで、めんどいからさ、適当に無視してたんだけど、そしたらもっと粘着してきやがって」

「うえぇ……」

「しょうがないから、一言言ってやったの、ポッキー食った感想、美味いって。そしたらよ……、『言葉が足らん!』って、感想にいちゃもんつけてきやがったんよ」

「だるぅ……」

「あ、ちなみにその幽霊は禿げたクソジジイな。それで、その後も事あるごとにうるさいから、色々考えたわけ」

「その結果『言葉にできない』を思いついたと?」

「そそ、これが大成功で、どうやら想像力が有り余ってるらしくて、勝手に解釈しやがんのよ。何回使っても、ジジイには響くっぽくて、つい使いまくっちまった……」

「なんか、ごめんな……何も知らずに講釈垂れてしまって……」

「いいよ、いいよ……言われて気づいたし。むしろ感謝だわ。そんな言葉にできないものが、あってたまるかって話よな」

「そうね」

「あ、そうだ、結局何だったの? 一つしかない言葉にできないものって」

「ああ、死ぬ瞬間の気持ちだよ。ほら、死人に口なしって言うじゃん?」

「なるほど……確かに」

「あれ? でもこれ、幽霊に聞けるんじゃね?」

「あ」
 
 友人はすぐさま虚空に向かって『おいジジイ! 死ぬ瞬間どんなだった?』と、問い出した。

「何て?」
 
「『クソ気持ちいい』だって、なんか損したわ」

4/9/2024, 6:44:37 AM

 四六時中あることに思考を独占されることがある。
 
 あることとは、新しいものだったり、古いものだったり、人によっては一つだったり、たくさんあったりする。

 思考を独占されているときは、周りのことなどどうでもよくなって、生活すらも疎かになる。

 それはひたすらに楽しくて、楽しくて、ずっと続いて欲しいと、あなたは願っている。

 そう、熱中しているのである。

 だがそれは、いつしか消えて無くなって、もうあなたにとって、どうでもいいものとなる。

 何が理由かは分からない、時の流れに抗えなかったからなのか、どこかで繋ぎ止めていた糸が切れたのか、はたまた切られたのか。

 でもどこかに、その時の熱は残っている。

 ふと思い出す、熱中していた、あの頃の自分。

 とても愛おしく思えて、あの頃の記憶が蘇る。

 また熱中するのもいいだろう。

 一度熱中したものは
      これからも、ずっと、
           あなたの中に生き続ける。

――――――――――――――――――――――――
 ずっと何かに、熱中していたいなあ。

 

 




4/7/2024, 5:55:23 PM

 沈む夕日に、絡む赤色、滲む夜。

 この声が太陽にも届くかな

 知らねえけれど

 さよーならまたあした!

4/6/2024, 4:55:38 PM

 『その瞳は』

 
 その瞳は悲哀で満ちて冷たく儚く、
 そして何よりも綺麗だった。
 
 その瞳は一つだけ、薄ぼんやりとした、夕焼け色。
 
 その瞳の持ち主は、命を持たぬ、鉄の塊。
 
 血に濡れた――殺戮兵器。

 その瞳が見据えるのは、私。
 
 その瞳が、ひどく揺らめいた。
 
 銃口が私の額に当てられる。

 死などもはやどうでもいい。
 
 その瞳がひどく悲しくて、かなしくて――

 赤く染まったそのからだを、
 訳も分からず抱きしめた。

 あとは散々泣き喚いた、
 何度も何度も
「ごめんね」
「ごめんね」
 ってひたすらに。

 どうしたらいいのか――分からなかった。

 
 額にあった銃口は
 いつの間にか
 私の背にそっと添えられていて
 それは、とても、とても暖かかった――。

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