画面の向こう、広がる世界。
スマホの光、夜空に瞬き、
データが描く、新たな銀河。
タップ一つで、世界と繋がり、
仮想の森、奥深く分け入る。
さあ、知識の海へ沈もう。
【 冒険 】
風に乗り、光を辿り、
私の願いよ、遠くへ舞い上がれ。
さざ波の音に、星の瞬きに、
この想い、どこまでも響き渡れ。
手のひらに包んだ小さな祈り、
夜空に託した、ただ一つの願い。
貴方の心に、そっと触れたい。
この声が、どうか届いてほしい。
幾千の夜を越え、
幾億の時を越え、
ただ、貴方のもとへ。
この想いよ、どうか届いて。
【 届いて… 】
光はこぼれ、風は眠っていた。
貴方の声が、遠くの鐘のように胸に響く。
時間は止まらないけれど、貴方と見た景色だけが
あの日のまま、瞼の奥に棲んでいる。
【 あの日の景色 】
願い事なんて、子供のするものだと、いつからか思い込んでいた。
瞼を閉じて手を合わせる仕草すら、恥ずかしいと笑い飛ばすような年齢になって、
それでも、夜が深くなると、時々胸の奥がひどく静かになる。
叶えたいことなんて、ないわけじゃない。
むしろ、口に出した途端に壊れてしまいそうで、
だからこそ誰にも話せなかった。
願い事っていうのは、たぶん、叶えたいからするんじゃない。
叶わないと知っていても、
「そうであってほしい」と、ただひとつ、心のどこかで願い続けること。
それはもう、願いというより祈りに近い。
私はその時、ほんの少しだけ手を伸ばした。
誰にも言えない願いを、誰にも見えないところに置いておくように。
そして何事もなかったように、また朝を迎えるのだ。
それでいい。
それだけで、生きていける気がした。
【 願い事 】
1度だけ、空が欲しいと思ったことがある。
ふと見上げる時に広がるのは満面の青空。
空に手をかざせば、何も掴めない手が空を切る。
手の届かない存在に、少し息が漏れた。
空は、あの人みたいで、時々嫌になる。
空みたいに、欲しくても手に入れられない存在。
叶うことのない恋と、あの時消えた、恋心。
【 空恋 】