冬だし布団を変えてパジャマも変えて暖かくしよう。
冬は温かいもの食べに行ったり、温泉に行ったり。
冬にしかできないことをたくさんしよう。
16歳、子供ができた。
避妊具が100%防げるわけではないのは知っていたが、
たったの数回で、しかも未成年でデキた。
親に伝えると母は泣き、父は激怒し殴られた。
彼氏も未成年で両家両親どうするか悩んだ。
堕ろす時期も過ぎ、しかたなく産んだ。
高校はできる限り通い、腹が出てきたら退学した。
悪阻で食べ物は吐くし、臭いもだめだった。
でも全部デキてしまった罰だと思った。
10カ月、予定日より1週間過ぎて出てきた子供。
性別は男で、少し軽かった。
産んですぐ、両親は子供を施設に入れると言った。
私は反論せず、最後の親子の時間をもらった。
「ごめんね」
私はただ一言、それだけ呟いた。
子供の名前は英汰(えいた)にした。
真面目な子供に育ってほしいと思った。
子供は施設に行き、私は別の高校に行った。
私たちは、一生はなればなれになった。
テレビをつけると可愛い子猫。
小さくて、目がぱっちりしていて、
ふわふわしていて柔らかそうな毛。
人懐っこく可愛く甘えてくる。
隣にいるうちの子猫とは大違いだ。
目は小さいし子猫の割に大きい。
硬い毛並みで自分勝手で甘えてくるのは機嫌の良い時と
飯の催促のときだけ。
甘え方だって力強くて痛い。
でもうちのコが一番可愛い!!
秋になると寒くなる。
普段は近寄らない猫は布団に入って居場所を奪う。
人間は寒くなってしまう。
猫はそんな人間を気にせずぬくぬく過ごす。
いい性格してる。
でも猫って憎めない。
私は毎晩夢を見る。
夢には毎回同じ女が出るが、まったく知らない人。
そして毎度、夢から覚めるとき一言。
「また会いましょう」
目が覚めるたび女を気に掛ける。
あの人は誰?どこにいるの?
そう悶々としていたある日、
父から母が亡くなったと言われた。
だが母は私が生まれてすぐ離婚していて顔も知らない。
離婚理由もどんな人かも知らない人。父は、
母は私を産んですぐ持病が悪化し入院した。
弱っていく私を見てほしくないという母の意向で
離婚したと告げた。
父は私に葬儀に出てほしいと言ってきた。
私は会ったことのない母の葬儀へ参加した。
葬式で遺影を見たとき、私は絶句した。
夢の女と同じ顔だったからだ。
急いで棺に近づくと、夢の中とは違う抜け落ちた髪に
骨のような手。
でも顔は夢と同じ顔だった。
私はそこで涙を流した。
やっと会えた時には全てが遅かったからだ。