空に溶ける。
どこまでもなにもかも
溶かしてしまいそうな暗闇に
溶けずそこにある星々も
まぶしい光のもとではその光を失う。
青空にその姿を描く真白な雲も
太陽がいなければ暗闇に溶けてしまう。
溶かし殺し、生かし合う空の色が
こんなにも美しい。
私も死んだら灰になり海に溶け
空に還り、またこの星に雨と還ろう。
そうしてまた、誰かの生と成ろう。
輝き
これだけ物語がありふれた世の中で
どうすれば興味を持ってもらえて
どうすれば目を通してもらえるか。
考えて発信していかないと、
きっと、誰にも見つけてもらえない。
どれだけ輝きを放つものでも
土の中に隠れていたら、見つけられない。
ココロ。
やわらかくて、あたたかくて、もろくて。
自分では気づかないくらい。
ボロボロの隙間。茨みたいなとげとげ。
まんなかの埋まらないドーナツみたいな。
そんなかたちの、わたしたちのこころ。
不確かで、流されやすくて、
自分自身にも嘘を吐いてしまうこころ。
だからきっと、こわれやすいのね。
こわれもののように扱ってね。
わたしも、あなたも、みんなも。
Ring Ring…
あなたが決めてるLINEのコール音。
他の人と違う、あなただけの音。
私から電話をかけるときだけ聴ける音。
だからきっとこれからも
あなたとのつながりがなくなっても
どこかで耳にする度、思い出すんだろう。
あなたと過ごす今を。
追い風
「なんか、上手く生きられないんだ」
はじめからそうだった訳ではないはず。
ちょっと怒りがちな父と
たくさんの薬を飲まなければやっていけない
どこかおかしい母が居て。
かわいい弟と、友達みたいな妹。
嫌われ者のおばあちゃんと、一緒に生きてきた。
子どもで居られる時間は
とっくの昔に過ぎているのに
いつまで経っても大人になれない。
まともな稼ぎがなければ、
それは大人とは呼べない気がして。
そんな自分に嫌気がさして。
今はもう、弟と、父と母の四人だけになった家の中。
支えてもらって生活しているこの状況が
いつまでも続くなんて思っていない。
いつか支えをなくした私は、ひとりで生きられるのか。
向かい風さえも吹かない、
停滞したこの日常がゆるせない私と
堕落しきった私は戦うことすら放棄している。
二十歳過ぎればただの人。
ただの人にもなれない私に風は吹くか。
私の背中を押すのは、いつもだれかの言葉だ。
私自身の言葉も、私の背中を押す。
ならばそれはきっと、追い風だから。
上手に生きなくてもいい。
ただゆるやかに、かろやかに、
風にのって、その日をやりすごそう。