輝き
これだけ物語がありふれた世の中で
どうすれば興味を持ってもらえて
どうすれば目を通してもらえるか。
考えて発信していかないと、
きっと、誰にも見つけてもらえない。
どれだけ輝きを放つものでも
土の中に隠れていたら、見つけられない。
ココロ。
やわらかくて、あたたかくて、もろくて。
自分では気づかないくらい。
ボロボロの隙間。茨みたいなとげとげ。
まんなかの埋まらないドーナツみたいな。
そんなかたちの、わたしたちのこころ。
不確かで、流されやすくて、
自分自身にも嘘を吐いてしまうこころ。
だからきっと、こわれやすいのね。
こわれもののように扱ってね。
わたしも、あなたも、みんなも。
Ring Ring…
あなたが決めてるLINEのコール音。
他の人と違う、あなただけの音。
私から電話をかけるときだけ聴ける音。
だからきっとこれからも
あなたとのつながりがなくなっても
どこかで耳にする度、思い出すんだろう。
あなたと過ごす今を。
追い風
「なんか、上手く生きられないんだ」
はじめからそうだった訳ではないはず。
ちょっと怒りがちな父と
たくさんの薬を飲まなければやっていけない
どこかおかしい母が居て。
かわいい弟と、友達みたいな妹。
嫌われ者のおばあちゃんと、一緒に生きてきた。
子どもで居られる時間は
とっくの昔に過ぎているのに
いつまで経っても大人になれない。
まともな稼ぎがなければ、
それは大人とは呼べない気がして。
そんな自分に嫌気がさして。
今はもう、弟と、父と母の四人だけになった家の中。
支えてもらって生活しているこの状況が
いつまでも続くなんて思っていない。
いつか支えをなくした私は、ひとりで生きられるのか。
向かい風さえも吹かない、
停滞したこの日常がゆるせない私と
堕落しきった私は戦うことすら放棄している。
二十歳過ぎればただの人。
ただの人にもなれない私に風は吹くか。
私の背中を押すのは、いつもだれかの言葉だ。
私自身の言葉も、私の背中を押す。
ならばそれはきっと、追い風だから。
上手に生きなくてもいい。
ただゆるやかに、かろやかに、
風にのって、その日をやりすごそう。
君と一緒に
あの頃は毎日がきらめいていて
訪れる夜が待ち遠しかった。
着信を告げるiPhone。
そこから漏れるあなたの声。
距離なんて関係ないって強がって
あなたの寝息を耳元に感じながら眠るのが
少しさびしくても幸せだったの。
私たちがお隣さんで
いつでも触れ合える距離に居たら
もっと違う形の関係になれたかな。
叶うなら、あなたと一緒に生きたかった。