きらめき
夏の海のきらめき
冬の雪のきらめき
春の花々のきらめき
秋の紅葉のきらめき
どの景色を思い出しても、隣に君がいる
この先もそうであれば良いと、きらめく景色を見る度に思う
些細なことでも
君が些細なことで笑う顔が好きだ
時々、俺が別に面白く言ったわけでもないことにも笑う
そうやって目尻をくしゃっと緩めて笑うのが好きだ
向かい合わせ
小さい頃、僕たちは一緒に座る時いつも隣り合って図鑑やゲームを覗き込んでいた。
それから十年とちょっとの時間が経って、いつの間にか僕たちは大人みたいに身支度をして、一杯が漫画一冊よりも高いカフェラテを前に、お洒落なカフェで向かい合って座っている。
「…なんか緊張する…手が震えそう…。」
「ええ?そんなに?あはは…そりゃファミレスとは違うけど緊張しなくていいって。」
二歳上の彼はいつも僕より少し先を澄まして歩いてる。
だけど、振り返らずに行ってしまう訳じゃなくて、こうやって僕を連れてきて向かい合って座ってくれる内は、置いていかれはしないと思って良いのだろうか。
裏返し
「愛情の裏返しとか言うけど、いや普通に表面の愛情くださいって思うんだよね。」
「あはは。それはそう。」
恥ずかしいとか言ってはいられない。この人は僕の愛を信じてくれているのだから。
誇らしさ
あなたが誇らしい。
そう言うのは簡単だし、心から思うのだって難しいことではないだろう。
一番難しいのは、自分が誇らしい。そう、心から思うこと。
きちんと自分を誇っている大人は格好良い。そう感じているからこそ二十代までのカウントダウンに焦ってる。
勉強をひたすらする。褒められることかもしれないけど、正しいことだろうか。真面目なだけで自分を誇れる大人になれるだろうか。
僕にはまだ分からない。
「…分からないって言ってる間に人生終わっちゃいそう。」
ベッドに沈んで溢した低い声は反響もせずに宙に消えた。