『閉ざされた日記』
幼き頃の憧れを
言の葉にのせて
叶えたい夢を
言霊に託して
自分を見失うたび
手に取って 読み返す
本棚の片隅
ホコリ被って 追いやられ
気付けば
白紙のページが増えて
見失った道程の行く先を
閉ざされた日記の隅に見る
『木枯らし』
さようならも言わず
この部屋を旅立ったキミ
あれからいくつかの季節が過ぎ
キミが居なくなった部屋は
今も ふとした瞬間
キミの息づかいを感じ
さみしい風が
心を吹き抜ける
キミは忘れてしまったかしら?
喜び 悲しみ 共に過ごした日々を
思い出を振り返る時間も忘れて
今をキミらしく生きているなら
キミがそれを幸せと感じているなら
それでいい
大空をどこまでも
自由に羽ばたき 飛び続ければいい
それでも もし…
どうしても…
本当に どうしても…
どうにもならない時は
還るべき場所が ここにあること
キズついた羽を
休めるための場所が ここにもあること
思い出して…
木枯らしに紛れて
還ってきてもいいんだよ
なんてことも
素直に言ってあげられなくなったよ
もう あの頃には戻らない…
『美しい』
憎しみのあるところに愛を
争いのあるところに許しを
分裂のあるところに一致を
誤りのあるところに真理を
絶望のあるところに希望を
悲しみのあるところに喜びを
慰められるよりは慰めることを
理解されるよりは理解することを
愛されるよりは愛することを
闇に光を
そんな風に
生涯 祈り続けたあなたは
真に美しい人だったのでしょうか?
『この世界は』
弱肉強食 食うか食われるか
歴史の残酷な真実は
ねじ曲げられ
覆い隠され
弱者だけがバカを見る
『どうして』
大人の着ぐるみを着て
社会のしがらみに耐える
男だからとか女だからとか
若者だからとか年寄りだからとか
父親だからとか母親だからとか
息子だからとか娘だからとか
学生だからとか社会人だからとか
どうして みんな
決められた枠の中に
窮屈に押し込められて
諦め顔 疲れ顔
光の射す方に背を向けて
背中丸めて とぼとぼ歩く
まるでゾンビの大行進
戦闘服に仮面を着けなきゃ
外にも出れない
真実なんて
裏で大金ばら蒔けば
明後日の方向にだって
ねじ曲げられる異次元の世界
未来ある若者たちに
エールを送る余力もない
大人たちに何を求める?