4/12/2024, 11:44:28 PM
遠くの空へ
たましいがぬけてゆく
空にとびたつと、空にはいろんな生物もおよいでいた
魚もいたし、猫もいたし、虫もいたし、
もちろん人間も、ぼくとおなじようにおよいでいた
みんなたましいなので半透明で白かった
けむりみたいだと思った でも空にいるから、雲かな
どうやらゆっくりとどこかに吸い込まれているようだ
水に流されるように、おおぜいの生物が流れにまかせて
空をおよいでいく
やがて光をはなつ扉みたいのがみえて、
みんなそこに吸い込まれていくらしかった
ぼくは何も考えられなかった
ただそういうもんだと思って、空に流されていた
あの扉の先には何がまっているんだろう
でも案外こわくなくて、ぼくはゆうかんだと思った
4/7/2024, 12:00:41 PM
沈む夕日
夕日が沈むと、急に辺りが静かになったような気がした。
顔を出す星たちと、心地の良い夜の香り。
まるで空が生物に
「ゆっくりとおやすみなさい」
と言っているようだ。
土手に出てぼーっとしていた私はなんだか良い気分になり、
家に帰ったらカレーを食べることに決めた。
夜の空気を大きく吸い込み、勢いよく立ち上がった。
4/7/2024, 2:00:41 AM
君の目を見つめると
君は少しびっくりしたような表情を見せたあとに
恥ずかしそうに微笑んだ。
昔だったら瞳の中に恐怖の色が浮かんでいたのに、
今や「なによー!」と照れ笑いし、意味のない会話をして笑いあっている。
僕は数年前海辺でぼーっとしていた昔の君とケラケラと笑う今の君を重ねて、時の長さを実感したのだった。