遠くの空へ
たましいがぬけてゆく
空にとびたつと、空にはいろんな生物もおよいでいた
魚もいたし、猫もいたし、虫もいたし、
もちろん人間も、ぼくとおなじようにおよいでいた
みんなたましいなので半透明で白かった
けむりみたいだと思った でも空にいるから、雲かな
どうやらゆっくりとどこかに吸い込まれているようだ
水に流されるように、おおぜいの生物が流れにまかせて
空をおよいでいく
やがて光をはなつ扉みたいのがみえて、
みんなそこに吸い込まれていくらしかった
ぼくは何も考えられなかった
ただそういうもんだと思って、空に流されていた
あの扉の先には何がまっているんだろう
でも案外こわくなくて、ぼくはゆうかんだと思った
4/12/2024, 11:44:28 PM