【お題:別れ際に 20240928】
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(´-ι_-`) 入力が遅いんだな⋯⋯ムムム⋯。
【お題:通り雨 20240927】
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(´-ι_-`) ゲリラ豪雨とは違うらしい。後日up。
【お題:秋🍁 20240926】【20240927up】
「う〜ん?」
秋は秋⋯だよな。
🍁は?
紅葉、椛、栬、楓、槭樹、鶏冠木⋯⋯、いやいやいや、わけわからないし。
秋に産まれた一回り年下の妹。
今年16歳になる彼女に、何か欲しい物はあるかと聞いて返ってきたのが『秋🍁』のメッセージ。
何かの暗号だろうか?
わからない。
もう一度聞いてみるか、と、メッセージを送ったのが昨日の昼の事で、未だに未読のままだ。
いつもならすぐに返信が来るのだが、音沙汰無し。
通話なら出るかと思い掛けたんだが、こちらも出る気配がない。
果てさて、どうするか。
取り敢えず家にかけてみるか⋯⋯。
「う〜ん、出ない」
仕方が無いので、両親にメッセージを送ったが、コチラも反応無し。
ただ、これはいつもの事なので、間髪おかずに電話を、と思ったところで向こうから掛かってきた。
「もしもし?」
『あ、友紀、あんた今日休みよね?』
「へっ?あ、うん、そうだけど、どうし⋯」
『今すぐ家に帰って!』
「は?家って、俺家に居るけど?」
『あんたのアパートじゃなくて、うちよ、うち!昨日から可奈と連絡がとれないのよ』
「連絡がとれないって、母さん達は今どこに居るんだよ」
通話をしつつ、家を出る準備をする。
財布と車のキーを持って、テレビを消す。
おっと、スマホの充電器も一応持っていく。
『私は北海道、お父さんは沖縄に出張中よ』
「はぁ?いつから?」
『お父さんは火曜、私は木曜日からよ。2人とも来週の水曜まで帰れないのよ』
「じゃぁまさか可奈は一週間くらい一人ってこと?」
『えぇ、あの子も高校生になったし、家事全般できるから大丈夫だって本人も言うから。これまでも2日とかは、普通に留守にしていたし』
「わかった、今から向かう。そうだ、最後に可奈と連絡取れたのはいつ?」
『昨日の昼前よ』
「了解。着いたら連絡する」
おっと、実家の鍵も持ってっと。
俺のアパートから実家までは、高速を使って2時間半くらいかかる。
今日は土曜だから、もう少しかかるかもしれない、そうなると昼過ぎか。
急がないと。
「⋯⋯⋯⋯」
「あれ?お兄ちゃん、どうしたの?」
玄関のチャイムを鳴らしても出てこないから、焦って鍵開けて家に入ってみれば⋯⋯、リビングでテレビの大画面でアニメ鑑賞をしている女子高生が一人。
ヘッドフォンをして、飲み物とお菓子をきっちりと準備している。
その横には愛犬と愛猫が幸せそうに寝そべっている。
「どうしたのってお前、ずっとソレ見ていたのか?」
「コレ?これはさっき見はじめたとこだよ。その前は別のを見てた」
「⋯⋯LINE、見てないのか?」
「あー、うん、見てないってか、見れないんだぁ」
「見れない?」
「スマホ、壊れちゃって」
「⋯⋯⋯⋯それは昨日の昼前にか?」
「そう!よくわかったね」
「あー、うん。家の電話も繋がらないんだが?」
「それも壊れてる」
「へっ?」
「一緒に壊れちゃった」
可奈はそう言って、ペロッと舌を出した。
聞けば、昨日は学校が休みで可奈は朝から家の掃除をしていたらしい。
一通り部屋の中の掃除を終えて、窓掃除をしようとバケツに水を汲んで運んでいたところ、愛犬と愛猫がじゃれあっていた所に濡れた雑巾を落としてしまい、それに驚いた愛猫が可奈の足に激突。
バランスを崩した所で愛犬が可奈のスリッパを押さえつけてしまい、あえなく後ろに転倒。
その際持っていたバケツが宙を舞い、固定電話とその横に置いていたスマホが見事水浸しになりご臨終と言う、漫画やアニメの1場面のような出来事が展開されたらしい。
因みにその瞬間はペットカメラにバッチリ映っていて、後に某動画サイトでミニバズリした。
その後俺は事のあらましを母親に連絡し、可奈のスマホと家の電話機を買い、回る寿司屋で夕飯を食べ、夜は可奈と某カートゲームをして遊びいつの間にか眠っていた。
味噌汁のいい匂いに誘われ目を覚ますとテーブルの上には朝食が用意されていた。
「お兄ちゃん、目玉焼きは半熟だったよね?」
「⋯⋯あぁ」
「かけるものは?」
「塩とコショウ」
「了解〜」
テーブルの上にコンっと塩とコショウが並べられる。
可奈に早く座るよう催促され、俺は席に着いた。
ついこの間まで、庭を走り回っているだけのお転婆な女の子だったのに、しっかり家事をこなしているのを目の当たりにしてちょっと感動している俺がいる。
『いただきます』としっかり挨拶をして、朝食を食べる姿にまで何で感動しているんだ、俺は。
「あー、そうだ、忘れるところだった。誕生日プレゼント、何が欲しいんだ?LINEの返事の意味が全然分からなかったんだが」
「うん?あれ?私何て返したっけ?」
「『秋』と『🍁』だ」
「え、わからない?⋯⋯えー、どうしよう、なんて言えばいいのかな」
「もう一度聞くぞ、何が欲しいんだ?」
「秋!」
「いや、だから、秋って何だよ?」
ヤバい、女子高生の言っていることがわからん。
秋には秋以外の意味があったりするのか?
季節の秋以外に何か意味があるとか、俺習ってないんですが、文科省様!
ジェネレーションギャップなのか、これは。
俺も年だと言うことなのか、いや、確かにアラサーだけど。
「えー、だって、春さんと夏がいるから秋もいればいいのにって思って」
「春さんと夏⋯⋯って、え、ペットが欲しいってことか?」
「そうだよ。わかんなかった?」
「⋯⋯オニイチャンニハ、ムズカシカッタ、ナ⋯⋯」
春さんは愛猫の名前で夏は愛犬の名前だ。
どちらも名前と同じ季節に家に来た。
因みに名付け親は可奈だ。
「あのね、この子がいいなぁって思って。あ、お母さんとお父さんにはOK貰ってるよ。お兄ちゃんが買ってくれるなら問題ないって。動物病院の先生も見てくれるって言ってた」
「⋯⋯⋯⋯こいつは」
知ってる、某動画サイトで時々見かけるやつだ。
動きが可愛いというかおじさん臭いというか、そんな感じで何故か癒されるんだ。
うん、会社でも女子社員達が昼休憩にキャイキャイ騒いでいたのを知っている。
その時に、販売価格もちらりと耳にした。
「ね、お兄ちゃん」
「⋯⋯⋯⋯ゴメン、無理だ」
「えー、何でぇ」
「なんでって、可奈、こいつがいくらするか知ってんのか?」
「知らない」
「⋯⋯ふぅ、聞いて驚け。百万だ」
「うわっ、高っ!」
「流石に買えん」
いや、頑張れば買えなくはないけど、妹の誕生日プレゼントに使う金額ではない。
母さんも父さんもわかってて言ったな、きっと。
「え、じゃぁこっちの子は?」
「これは、アラスカンマラミュート⋯、いやいやいや可愛い、確かに可愛いけど、こいつすげぇデカくなるよな?」
「え、ダメ?」
「うっ、ちょっと待て⋯⋯」
なになに、えーと平均価格は⋯⋯。
「諦めてくれ」
「えー」
「ゴメンな」
「うーん、じゃぁアルパカとか!」
「いや、価格上がってるし」
「えー、じゃぁ⋯⋯」
結局、その日のうちに『秋』が実家に招かれた。
チンチラというげっ歯類のネズミやリスのお仲間、手っ取り早く言うとおっきいハムスターだ。
チンチラ本体とゲージや餌など1式揃えたので、それなりの金額になったが、おじさんのようなあいつと比べれば可愛い出費だ。
「いいか、戸締りはキチンとしろよ」
「はーい」
「夜更かしするなよ」
「はーい」
「変な奴について行くなよ」
「はいはい」
「それから⋯⋯」
「もう、大丈夫だってば。ほら、早く帰らないと明日起きれなくなるよ!」
「やっぱり今日も泊まって⋯⋯」
「明日、会社でしょ。私は大丈夫だから」
「でも」
「ほーらっ」
何だかんだで家に着いたのは22時頃で、家に到着したことを家族のLINEグループに報告した直後、母親から通話が入った。
「もしもし?」
「お疲れ様、スマホと電話代は後で振り込んでおくわね」
「はーい、宜しく」
「それとチンチラ、買ってあげたのね」
「ん、まぁ。欲しがってたし?」
「高かったでしょう?」
「いや、マーモットに比べればチンチラなんて安いよ」
「マーモット?何それ。それに安いって友紀⋯⋯チンチラ5万くらいじゃなかった?」
「あー、まぁ。ゲージとか餌とか色々揃えて8万くらいかな?」
「高いじゃない」
「え、でも⋯⋯⋯⋯確かに、高いな。あれ?」
マーモットの百万に比べれば⋯⋯、いや待て俺。
妹の誕生日プレゼントに8万って、使いすぎじゃないか?
「友紀、あんたチョロすぎ。可奈は初めからチンチラが欲しかったのよ」
「えっ?」
「でも高いから無理かなーって言ってたの」
「高いって⋯⋯」
「あんたいつも大体1万か2万くらいじゃない?プレゼント代」
「あ、うん」
「だから初めからチンチラが欲しいって言ってもダメだったでしょ」
「うん、たぶん」
「ほら、可奈の作戦勝ちね。あんた騙されないように気をつけなさいよ。じゃぁね、おやすみ」
「おやすみナサイ⋯⋯」
俺は、騙された⋯⋯のか?
でも、まぁ、凄く嬉しそうだったから、良いか。
可愛い妹が喜ぶなら、兄はこれからも喜んで騙されてあげようと思うよ。
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(´-ι_-`) お兄ちゃん欲しかった。
【お題:窓から見える景色 20240925】
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(´-ι_-`) ネタが⋯。後日up。
【お題:形の無いもの 20240924】
たった一つの細胞が、繰り返し繰り返し分裂して身体を作る。
数え切れない程の細胞の塊、それが人間の器。
そこに宿る形の無いものを魂と言うらしい。
重さは21g。
形は無いのに、何故か重さはある不思議。
で、問題はコレ。
今俺の目の前でぷかぷか浮いている奴。
俗に言う幽霊とか言われるヤツ⋯⋯だと思う。
向こう側が透けて見えているからな。
それに人間の身体はこんな風に浮く事はできない⋯⋯はず。
言い切れないのは何故かと言うと、こういうモノを生まれて初めて見るから。
で、どうしてこんなにも冷静なのかと言うと、この浮いている奴が俺の知っている人間だからだ。
うーん、これは一体どういう事なのだろうか?
昨日は残業をして、帰りにコンビニに寄って肉まんとピザまんを購入。
ついでに酎ハイとプリンも買って帰ってきた。
記念すべき30歳の誕生日だったからな。
魔法使いになったんだ自分くらいは祝ってやらないと、この身体が可哀想だ。
あー、はいはい、そうですよ、彼女も友達もついでに両親も兄弟も居ない、正真正銘のぼっちだよ。
あ、いや、友達⋯と言うか、親友がひとりいる。
それがこいつ、目の前で浮いて呑気に寝てる奴で、名前を桜庭 渉と言う。
最近はあまり連絡を取っていなかったけど、小学生の頃からよくつるんでいた。
高校を卒業してからは年に1回会えればいい方だったけれど、メールやLINEとかで連絡は取れていたし、時折荷物なんかも送られてきた。
よく分からない民族の仮面とか、置物とか、帽子とかばっかりだったけれど。
仕事の内容はよく知らないが、1年の大半国内外を飛び回っている桜庭は本当に忙しい奴で、俺とは違った理由で恋人はなく結婚もしていない。
でも多分、魔法使いではない。
あいつ、顔と頭は信じられないほどイイからな。
「そう言えば⋯⋯」
スマホを開いてメールを確認するが、新着メールはない。
同じくLINEも確認するが、こちらも新規のメッセージは無かった。
毎年誕生日には必ずメッセージが送られてきていたんだが、今年はそれが無かった。
「ふむ⋯⋯」
これをどう捉えるか⋯だな。
単純に忘れていた、電波の届かない秘境にいる、スマホが壊れて送れない、後は⋯⋯。
「⋯⋯⋯⋯よぉ」
色々考えていたら、奴と目が合った。
いつもと変わらずに、掌を俺に向けてヒラヒラと振っている。
だから俺もいつものように声を掛けたんだが、うん、桜庭は何か話しているようだが俺には聞こえない。
まぁ、肉体が無いんだから声が聞こえるはずも無いんだがな。
何だか一生懸命に話しているが、さっぱりわからん。
「悪い、全然聴こえない。何言ってんのかわからん」
俺がそう言うと、桜庭は大袈裟なほどガックリと肩を落とした。
でも、あれだ、俺は桜庭の言っていることは分からないが、桜庭は俺の言っていることがわかるんだな。
うん?何だ?ジェスチャーか?なになに⋯⋯。
「⋯⋯元気かって?あー、まぁ見ての通り、草臥れてはいるけど元気だ。仕事?今日は休み、誕生日休暇ってやつだ。うん?お、め、で、と、う?ありがとう。あぁ、俺も30になったからな、またお前と同い年だ。うん?小指?小指がどうかしたのか?え、違う?⋯⋯あぁ、恋人できたかって?今の俺を見て恋人がいるように見えるか?それもそうかって、相変わらず失礼な奴だな。で、桜庭、お前なんでそんな事になってんだ?」
俺がそう言うと桜庭は眉尻を下げて少し困ったような顔をした。
「はぁ、まぁ何でもいいか。で、これはあれか、俺が魔法使いになったからお前が見えるのか?ん?さぁって、お前も分からないのか。え?魔法使いってなんだって?あれだよ、30まで童貞だと魔法使いになれるっていう、え?知らない?⋯⋯まぁ、桜庭は童貞じゃないから関係ないもんな、⋯⋯はっ?えっ?童貞?桜庭も童貞なのか?あー、いや、信じない、信じないぞ俺は。お前が童貞だなんて。ちょ、バカお前、何ズボン脱いで、見たってわかるわけないだろ!⋯⋯はぁ、もう、わかった。信じる、信じるよ」
しかし、桜庭が童貞とか有り得るのか?
あー、でも、日本人男性の3人に1人は魔法使いになれるっていう話も聞いたことあるんだよな。そう考えれば有り得なくもな⋯⋯いやいやいや⋯⋯。
「ん?なんだって?スマホ?電話しろ?誰に?えっ?あー、ちょっと待て⋯⋯」
桜庭が指し示した数字をメモする。
市外局番から行くとこれは⋯⋯。
「これ、お前の実家の番号か?」
グッとサムズアップしてウインクまでしている。
「ここにかければいいのか?」
桜庭はひとつ頷くと、じゃあな、とゆっくり口を動かして、ふっと消えた。
残された俺は、桜庭がいたその場所をじっと見つめていた。
「⋯⋯⋯⋯」
とりあえず、桜庭のLINEにメッセージを送ってみるが、既読にはならなかった。
そして、俺は桜庭の実家に電話を掛けた。
何となく、さっきまで桜庭がここにいた事は言わない方がいいと思った。
だから、サラッと桜庭と連絡が取りたいとだけ伝えたんだ。
なぁ、桜庭。
お前、回りくどいぞ。
もっと分かりやすく伝えろよ。
何だよ、入院してるって。
しかも3ヶ月前からって。
お前の30歳の誕生日の夜って、俺と通話してただろ。
あの後かよ、交通事故に巻き込まれたって。
そこからずっと意識不明って、そんなの知らねえよ。
待ってろよ、今から会いに行ってやるからな。
俺は魔法使いになったんだ、絶対お前の目、覚ましてやるからな。
いいか、俺を独りにしたら許さないからな。
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(´-ι_-`) BLではなく、友情デスヨ。