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4/6/2024, 7:12:42 AM

星空の下で__。

「僕達、いつまで生き続ければいいんだろうね」

ある日問うてきた君はもういない
君は先に一人でいってしまった

どうして僕を置いていったんだろう
僕だってそっちに行きたいよ
ねぇ、僕の手を引いて
君と同じ場所に立たせて

綺麗な星空の下で眠る君は
もう答えてくれやしない。

4/4/2024, 10:49:18 PM

それでいい__。

つまらない
仲間は皆居なくなってしまった
自分を恐れて離れてしまった

構わない
仲間を傷つけてしまうのなら
誰かを怖がらせてしまうのなら
自分は独りぼっちでいい

それで、いい。

きっと最初から決まっていた運命だ

4/3/2024, 9:28:18 PM

1つだけ__。

要らないものは何でも捨てることが出来たんだ
古いぬいぐるみ
写真、絵
壊れてしまったけど少しは使える機械
辛かった思い出
不必要な記憶
一方的な友達

感情

そのどれもが必要無くなれば捨てることが出来た
けれどいつまで経っても捨てられないものが1つだけ

命。

どれだけ辛くても、どれだけ苦しくても
僕はこれを捨てられなかった
捨てることが怖くて仕方なかった
けれどこれは僕にとって
持っていれば悲しい感情が蓄積されていくようで
どうしても捨ててしまいたいものだった

悲しい、だなんて
感情なんてとっくに捨てたと思っていたよ
あれ
隅の箱を開けてみたら古くてボロボロのぬいぐるみが
底には友人と撮った写真だって入っている

大抵なことはこなせる僕には1つだけ
欠点があった
それは自分に嘘をつこうとしてしまう癖。
辛くならないように覆い隠してしまおうとする
僕は1つだって、捨てられないのだ。

3/29/2024, 10:03:12 PM

ハッピーエンド__。

誰もが彼を惜しいと言った。
それだけの才能があって、何故世に出ないのか
それだけの技量があって、何故自身で完結するのか
その才能が惜しい、技量が惜しいと言った。

彼はその言葉を気にしている暇はなかった
ただ自身の趣味である絵描き
我が身のまま描きたいものを白いキャンバスに載せ
心を込めてただ一身に紙と向き合う繊細な時間
彼はこの時間を愛してやまない
誰かにこの才能を無駄だと罵られても
勿体ない、意味が無いと神経を疑われても
彼はこの時間を義務に変えることを許さなかった

描きたい時、描きたいままに、描きたい量
筆を走らせ線を描き、色を塗り
気分ではない時筆を休ませる
きっと仕事にしてしまえば楽しくない時間がやってくる
彼は大切なこの時間を
財産、名誉の為に犠牲にするなど考えられなかった

軈て彼は息を引き取った。

一つ、また一つと増やしていった絵を残し
彼は眠りについた
誰もが何度も呟いた
誰の目に触れることなく終わってしまった彼を
そして残された絵を
哀れだと。

けれど彼にとってその時間は
何にも変え難い大切なものとしてそこに存在した
一人好きな時に絵を描き
彼は幸せな時間を堪能した

そんな人生を全うしただ静かに目を閉じる
それこそが彼にとってのハッピーエンドであったのだ。

3/22/2024, 6:39:52 AM

『面白くない話』

この話はいつしかつまらなくなった
終わらせようにも勇気が足りなくて
続けようにも気力が足りなくて
何の存在意義も見出せずに
ふわふわと浮いてただそこに存在していた。

この話は普通だった。
人並みの幸せは経験しているし
人並みの苦労も経験していた
其れがいなくなったのだって
差程辛くはなかった
学校に通わなくなったって
この話を終わらせるような行動には走らなかった
走れなかった。

続いているのか分からない
終わっているのかも分からない
でも確かにそこに存在していた。

いつからつまらなくなったのだろう
ふとした瞬間に飽きを感じてしまったのか
それとも続けるのが面倒になってしまったのか
それを誰かに聞く勇気も持ち合わせていなかった
たったその瞬間に
つまらないな、と感じたのだ

こんな話をしてしまえば
どこかの誰かに叱られてしまっても可笑しくない
けれどどうすればこの話が面白くなるのか
それは考えたって何一つとして思い浮かばなかった
趣味もつまらなく感じてしまう
楽しいことがあっても直ぐに無心になる
余程の飽き性にでもなった気分だ。

この終わらせたい心だって
そのつまらなさ故なのかもしれない
もちろん、そうする芯の強さなど全く知らない

あぁ。全くもって面白くない話だ。

楽しくない、人生だ。

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