#70「輝き」
シリウスは燃えるでしょう
だれのために?
身を挺した輝きは
まるであなたに似ていた
豊穣の神様
天のオオカミ
おおきな犬
青い炎
だれが見ても焦がれるほどの 輝き
強くて繊細な厚み
こころの豊かさ
相反したあなたの苦しみ
どうしてそんなにも
誰かのために輝けるのか?
シリウスは燃えるでしょう
あなたのために
#69「時間よ止まれ」
彼女が振り替えるたび
瞬きをするのが惜しいのだ
まぶたに焼き付いた
泣いている君が
驚く君が
幸せそうに微笑む君が
かけがえのない 何よりも愛おしい
もう僕が写ることはないけれど
大丈夫、泣かないで
僕は君のそばにいるよ
僕のレンズが曇って水滴がついた
君はやさしく拭ってくれた
あぁ、おかしいな
機械は涙なんかでないのに
このまま時間が、止まってくれたらなぁ…
#68「君の声がする」
桜吹雪が芽吹く前の
あの静けさがやってくる
闘志は粛々と燃えていた
いつしか閉じこもった私の
最後の扉を開けるため
あの 向こう側へ
わたしの 灯火は無駄ではなかったこと
白く輝いた星が 呼んでいた
#67「君の背中」
夜明けの空に 希望の星が浮かんでいる
吉とでるのか 凶とでるのか
占い師なんて知らない
なんてったって今日は 晴れなのだから
きみの努力は 計り知れない
それは 今日でもっと輝くのだ
それこそ 100万星を集めたって
きみの素晴らしさには 足りないのだから
こころ駆け出したきみへ
どうかコケないように ケガしないように
寒ければ あなたの灯火は燃えるでしょう
朝日で 刃は輝いていることでしょう
希望の星は いつでも浮かんでいる
並んだその姿 きみだけはいつも光っている
願わくば きみの笑顔よ瞬け
きみの努力よ 白く瞬け
#66「誰も知らない秘密」
わたしは黙っていろ
その嫉妬に意味もなく悶えていろ
いつかその炎が あの子のような
優しさに変わるまで
わたしの嫉妬が きみの道を塞いでいたら?
きみの嫉妬に 追い討ちをかけていたら?
わたしはどうしたって後悔をする
きみの行く手を阻むものが わたしであるなんて
あってはならないことだから
でもきみは強いことを 忘れていなどない
きみに向かう誰かの嫉妬は 業火のように燃えた
鍛冶屋が磨いた刀のように 努力は鋭く光っていた
どうかその刀が輝くような朝日が
戦いの日に訪れますように
その願いは 誰にも知られぬ小さな灯火となった