北極星は、南の形を夢見た

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7/9/2024, 9:44:35 AM

#42「街の明かり」

都会でもなく、田舎でもないため
この道は、街灯がすこし遠感覚にある。

歩かなければ、1寸先は闇の中
歩けば、暖色の明かりが包み込んでくれる

まるで、僕のこころの中

歩かなければ、と使命感
疲れて足を止めれば、1寸先は闇の中

歩けば、理不尽なことは多いけれど
小さな達成感と幸せが、包み込んでくれる

歩こう

たとえ、歩いた先の街頭が消えかかっていても
きっと明日が待っている

6/15/2024, 12:01:02 PM

#41「好きな本」

ちいさな ちいさな昼休み

きみが隣で笑って きみと感想を話し合って
「すき、この本いいね」って
本当に うれしそうに微笑むから



だから わたしもすき


6/9/2024, 10:01:55 AM

#40「岐路」

ヒラヒラ、桜が散っていた

うぐいす達が、木の枝に止まっていた
まるで花のつぼみのように

しかし、木の根元に一羽だけ
動かずじっと座っていて

それが記憶の片隅に、パズルみたいに
すぽっとハマった

あの頃の僕はとっくに諦めていたんだ
いや、‪”‬逃げていたんだ‪”‬

‪”‬15歳‪”‬という名の束縛から抜け出したくて
僕は必死に、根元にしがみついた
いつか根元が、枝分かれして運んでくれるだろうと

けれど、ダメだったんだ
それを理解するには、幼すぎたのかもしれないな

うぐいす達は、春の訪れを高らかに歌っていた
僕と一羽だけを残して

それでも桜は、ヒラヒラと散っていた

5/7/2024, 8:47:21 AM

#39「明日世界が終わるなら」

え、終わるの?
うん、終わるらしい

そうやって言い合える人が最後にいたらな

愛よりお金っていう人がいるけれど、
世界が終わる時、お金なんて価値がなくなるんだ

わかっていたのなら、君の手をとったのに

明日世界が終わるなら
願わくば、もう一度あの観覧車で


愛を

4/29/2024, 10:32:14 AM

#38「風に乗って」

たった数秒で通り過ぎた綿毛など
きっと誰の記憶にも残らない

けれど、私はもしかすれば
誰かの故郷の綿毛かもしれない

その誰かは寂しさを抱えているかもしれない

嗚呼 まだとべる
まだ あなたの所へゆくまで
あなたの心に 花を咲かせるまで

だからきっと、覚えていて

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