8/30/2022, 10:29:36 PM
「何かつけてる?」
彼女がお茶を入れようと席を立った時、
あまい香りが私の鼻をくすぐった。
「え?あぁ、香水かな。強い?」
「ううん、香っただけ。」
「そう?それなら良かった」
ちっとも良くない。あの女と同じ香りがする。
「その匂い、初めて嗅いだかも」
「分かる?おすすめしてもらったやつなの」
「…いい匂いだね」
「ありがとう」
まるで飼い主が猫にリボンを着けるように。
あなたが身に纏うその香りがひどく甘く、下品に思えて
「吐き気がする」
香水 / 香水を贈る意味は、
8/27/2022, 10:40:36 AM
今日は災難だった。
スマホを家に忘れ、電車には置いていかれ、
好きだった子には彼女がいることを知った。
終いにはこれだ。天気予報なんて当たりゃしない。
靴下はもちろん、通学バックの中身まで濡れた。
課題のプリントをファイルに挟まなかった事を悔やむ。
私のも、と押し付けられたプリントも犠牲になった。
後に降り掛かる報復は恐ろしいが、気分はいい。
家に帰ったら、このプリント含め二人分の課題を
こなさねばならない。ただでさえ内容量が多いのに。
あいつは今も男の家にいる。
この雨を利用して。私を利用して。
今この時も、男と楽しんでいるのだろう。
いつかの映画で見たように、
このまま雨が振り続けてくれたら。
学校も家も水没して、あいつらも溺死すればいい。
この足首を濡らす不快な泥水が首上まで来ることを、
看板の下で一人、虚しく望んだ。
雨に佇む/
たたず-む【佇む】
しばらく一ヶ所に立ちどまる。