NoName

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4/8/2024, 2:41:15 PM

「これからも、ずっと・・・」


  その後の言葉が、ザーザーとノイズのように聞こえ、かき消されてしまった。

 あぁ、まただ。また、同じ夢だ。

 夢から醒めると、そこには天井がある。うん。当たり前だ。

 当たり前で、見馴れた俺の部屋だ。

 覚醒していく意識の中で、ここが自分の部屋だと認識した。 
 
 この夢に出てくる女性は、髪が長く整った顔をした人だった。

 もちろん、そんな知り合いはいない。

 そんなきれいな人が知り合いにいれば、間違いなく覚えている。 

 では、この女性は誰なんだ? 

 まぁ、初戦は夢なので大した意味はないのだろうけど…。 

 その1年後、俺の兄が結婚相手を連れてきた。

 ちなみに俺は、高校生2年生だ。

 おわかりいただけただろうか?

 そう、その女性は夢の中の女性だった。

 つまり、夢の中で俺は兄の目線で結婚相手を見ていたのだ。 

 それを知った時、壊れたラジオのように何度も何度もその言葉が再生された。
 
「これからのずっと一緒にいようね。ゆうちゃん!」

 今度は最後まで聞き取れた。

 …兄さんのこと、ゆうちゃんって呼ぶんだな。

 ぼんやりと、どうでもいいことが思い浮かんだことを今でも鮮明に覚えている。

 
 

 

 
 
 

4/6/2024, 3:55:11 AM

 星空の下で体育座りをする。

 すると、自分がどれほどちっぽけな存在なんだろうと感じることがある。

 嫌な事があっても、満天の星空を眺めているといつの間にかすっぽりと忘れている。

 星ってすごい。

 体育座りをしなくてもいい。立ち尽くすだけでいい。 

 星だけではない。蟲の声、生暖かい風など、聴覚、視覚、嗅覚、味覚、触覚の五感。

 それらを意識する。

 すると、あら不思議。

 独りぼっちじゃなくなった。

4/5/2024, 5:04:17 AM

 「それでいい」

 その言葉を聞いて私はふと、違和感を覚えた。

 別におかしくはない、日常会話でもよく聞くありふれた言葉なのに。

 何故だろう? 

 その時ふと、もう一つの言葉が私の脳裏に浮かんだ。

 「それがいい」

 その言葉が思い浮かんだとき、"これだ"と思った。

 「それでいい」は、妥協されているようだが、「それがいい」となれば、その一つを追求する。代わりのものがない。

 そういう、ポジティブな考えになれるから。

 だから私は、「それがいい」