…今、芽吹のときだ。
彼女が生まれる。
…15年かけた実験の終わり……
…
「……ますたぁ?」
「あぁ……」
優しい目を向ける彼女を見て膝をついた。
これだ……この瞬間のために…俺は……
「……おかえり。甘李。」
【 cute! 】
「ん?これなんて読むんだ?」
「キャッ…キュートだよ、どうしたの突然。」
「ふーーん。」
「な、なんだよ。」
「いや、ちょっとじしんなさげに答えてたな〜って。」
「そんなことないみょ!!!いた」
「大丈夫?」
「うん………ありがと。」
「動揺したん?」
「…別にしてないから!!!」
「てか三津がなんで読むんだって聞いてきたんでしょ!!!」
「そだっけ…?」
「………」
「ごめんって、じょーだん。」
「古は賢いから知ってっかなーって思って。」
「ふ、ふぅん…」
「嬉しそう。」
「まあね。」
「素直。」
「素直だよ、わるい!?!」
「はは、すぐキレるのおもろ。」
「もうっ!!!」
「これ、古のためにある言葉だな。」
「…は?」
「キュートって読むんだろ?」
今日もここに記そう。
記録が残る様に。
全てを忘れない様に。
2月26日、8時21分
ここに記す。
今日も1日を生き延びた。
猫を見つめたり、洗濯物をしたり……たくさんはたらいた。忙しいと言えば忙しい日だった。
明日も楽しい日になるといいな。
NNBOX
(ストーリーと思いきや、作者の日記だったみたいなおちのお話をを書いてみたかったのです……Thank you)
ひそかな思い…
知るのは私だけでいい。
だから、この思いモ、秘密にするの。
愛おしくっテ、可愛くって、賢い私の好きなヒト。
……なんで、顔赤くしテルの?
「……状況は良好だ。」
…窓のソトに話しかけて、さー?
私のこともうチョット見てくれてもいいんジャないの?
「…また後で来るから。」
「…はい。ドクター。」
…あれ、私今喋ったっケ?
ふふ、以心伝心できるなんて、素敵なフタリ……
これからが……
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「なぁ、日多?」
「…なんスか、センパイ。」
「…a1 は…、本当に気付いてないのか?」
「…トいいますと?」
「…だから、……アレだよ……」
「電気信号で考えてること筒抜けってことだ……。」
「…センパイに伝わることを知ってて、今日も惚気てたと…?
…いや!いや〜ナいっすよ!」
「…だいたいそんなこと、創造したセンパイが一番分かってるでしょー?」
「……あぁ、そうだよな。」
手強いなa1……
賢く、…どこか抜けていて……その姿はさながら乙女……
まさに、俺の理想の……
「あなたは誰…?」
自分に問われる。
「……えっと……」
しまった、声をかけたはいいが、この先のことを何も考えてなかった……。
「………。」
返答に困る。
……これじゃ、あやしまれてしまう………なに……か言わない…と……。
……。
「……、」
「……君の、……未来の友達…、だよ。」
「未来の…ともだ……ち?」
…ごまかしてもしょうがない。
…、
……まったくこんな話聞いてすぐに目を光らせるような子供は、
田来くらいだぞ。
「守りにきたのさ。田来を救うためにね。」
少しカッコつけてみる。
「えっ!?!本当に未来の人!!??」
我ながら少し照れそうになったが、
真剣に…そして、嬉しそうに聞きかえしてくる田来を見るとそんな気持ちも吹き飛ぶ。
…はぁ…、かわいいケド、
……その好奇心、未来で少しだけ我慢してくれ。
今度こそ、救うから。