大事な休み。長期の休み。
愛する君に、会えない休み。
次会った時、どんな話をしよう。
悩みながら、私は課題を開いた。
「その手袋、もうボロボロじゃん」
「うん。でもお気に入りなの。」
「何で?」
「片想いしてた相手が、
クリスマスに買ってくれたの。」
「じゃあ、また買って貰えば?」
「…ううん。これでいいの。」
もう今、彼と会うことは無いから。
手袋と一緒に菊の花束を置いた。
「覚えてる?昔貰った手袋。」
「…また来年に来るね。」
雪が降り積る寒い中、
私は、墓地を去った。
「今日は連絡するね。」
彼のことで心情が滲み出てきたので、
少し、距離を置くことにした。
今日連絡すると、約束した当日。
私は怖くなって、連絡をやめた。
"気持ちを落ち着かせよう"って、
距離を置いたのに。
気持ちは、変わらないよ。
"大好きです。"
25日、16時。
スマホには通知が一切こないまま。
夕日は、既に西に位置していた。
ブログなどを見ると、
沢山のサンタコス。
そんな写真や動画を、
布団の中で見る私。
惨めだなぁ…私、と思いながら
写真をスクロールしていく。
去年は、彼氏とこんな風にはっちゃけていた
記憶があった。
今は、元カレになったけど。
そんな中、一件の通知が入る。
「今から暇してますか?」
しっかりと写った名前は紛れもない後輩だった。
「別に暇だけど。」
いつも通りの冷たい態度で答えた。
すぐに既読がつき、
すぐに返信が返ってきた。
「ディナー一緒に行きませんか?」
可愛い「お願い」のスタンプと共に、
その言葉はやってきた。
確かに、最近全然外食とか
行ってないなぁ…と思いつつ
久々に行くかぁ、と思いながら
「OK」とこちらからも
可愛いスタンプを送った。
「じゃあ、19時にいつもの居酒屋で会いましょう!」
"いつもの居酒屋"…ねぇ。
鞄に財布とスマホを入れて、
私はクリスマス最後の時間を後輩と飲み明かした。
彼の事を忘れて数日が経ちました。
寂しい気持ちや、苦しい気持ちはありますが、
私には、もうあの人を推す資格も、
好きになる資格も、
ないのです。
今日はクリスマスイブ。
彼は、何してるんでしょうか。
何をしていようが私は、
もう、関係無いのですが。