【時を結ぶリボン】
私の部屋には、リボンモチーフの時計がある。
ピンク色の時計だ。
あれは私のいつも一緒だった。
私のピアノの発表会の時も
高校受験の時も
行くとき、時間を教えてくれるのはいつも
この時計だった。
でもある日、この時計をもらいたいと
言う人がいた。
私もこんな可愛い時計をこの年で
持つのも思い、あげることにした。
そのこの家へ行く途中、私は角を曲がる
瞬間だった。
その時から私の記憶は途絶えた。
【手のひらの贈り物】
私は毎年、クリスマスにプレゼントを貰う。
どれも素敵だけど、心の底から
うれしいとは思えなかった。
今年のクリスマスもそんな感じで終わってしまった。
私はなんで、人からもらったものを
素直に喜べないんだろう。
一人で、部屋の椅子にかけながら考えていると
一人の女の子が、話しかけてくれた。
「何か悩み事?」
その子は、私の顔を見て察したのか
声をかけてくれたみたいだ。
「うん…ちょっとね」
なぜか知らない人なのにすらっと言葉が出てきた
「私、もらったものに素直にうれしいとか
感じなくて。ほんと、最低だよなって」
「…………………………」
「もらったものだけに目をむけんじゃなくて
その思いに乗った思いにも目を向けてみたら
何か変わるんじゃない?」
その子はすごい冷たそうな手を私の前に差し出して
言った。
【凍える指先】
私は難病を患った。
病状が悪化すると、からだ全身の
感覚がなくなってしまうらしい。
冬は、怖くて、外に出られなかった。
ある日、ものを取ろうと指先を伸ばしたとき
触っているのに、感覚がなかった。
ああ、今日は寒いからかな。
【消えない灯り】
私の部屋は、明るいものが一切ない。
カーテンはいつも閉めているし、
電気なんて、そもそもつけない。
外から音がする。
カーテンの隙間から覗いてみると、
いつも手紙を届けていくれている、
朝日ちゃんが、無理やり家に入ろうとしていた。
それを、お母さんが止めているのが見えた。
まもなくして朝日ちゃんの姿がなくなると
階段を登るドタドタという音が聞こえ、
次を瞬間、扉が開いた。
そこには、まぶしい笑顔の朝日ちゃんが立っていた。
【冬の足音】
私は、高校時代、好きだった人がいた。
顔もイケメンで、頭も良くて、運動もできて
まさに、アニメの世界のひとだった。
社会人になった今、恋愛はあまりしなくなった。
ただ出勤して、顔面と向き合う日々。
ある日、いつもの電車に乗ろうと、
すると、横からいい匂いがした。
私の好きだった人の匂いに似ていた。
横を見ると、そこには彼がいた。
すると、彼がこっちを見た。
「おっ、久しいじゃん。」
とっさに返事ができなかったのでニコッ
笑顔を返事をした。
その隣には、私が見たくない人がいた。
女の子……………彼女かな…
そして彼はいってしまった。
彼の足音が、どんどんと遠ざかる。