【夢が覚める前に】
私は、女優だ。
最近は、海外進出もしだし勢いに乗っていると
自分でも感じる。
更には、テレビにも出る回数が増え
雑誌の表紙にも起用されるようになった。
このまま勢いをなくすわけにはいかないと
私は疲れていてもとにかく頑張った。
そんな事を考えながら、自分のデスクを見る。
あーあ、こんな人になれたらなー。
私はこのいつまでも続くような書類の山の部屋で
おきることのない夢にふけていた。
【安らかな瞳】
私はいまだに信じられなかった。
あんな、劣悪で臭い環境で育ってなお
あの子の瞳は輝いていた。
全く同じ境遇の私は
もう、目も手も紅い血で染まった。
私はあこのが羨ましい。
私はあの子にそのままでいてほしい
思った。
【ずっと隣で】
ずっと、一緒にいよう。
この言葉は、薄れることがなかった。
私も、ずっと続くと思っていた。
でも
いなくなってしまった。
私にはたどり着けないぐらいの
先にいってしまった。
「あんたの好きなシオンでも、見に行こうかね。」
【過ぎ去った日々】
私は学校に行く前、必ず鏡を見る。
身なりが気になるかじゃなくて、なんとなく見る。
そこに写っている私は、いつも通りだった。
黒い瞳、黒い髪の毛、制服を着たごく普通の女の子だ。
毎日同じように鏡を見て学校に行ったある日。
私は友達と大喧嘩をした。
私はそのまま感情に任せてひどいことを言った。
それには、友達も唖然としていた。
私は普段からそういうことを言わないタイプだったから。
全部、吐いたあと全力で教室を出て速さを遅くすることなく、走った。とにかく走った。
その後、その友達とは話していない。
高校も離れて、今何をしているのか、そもそもどこにいるのかもわからない。
私は、あとでひどく後悔した。
あの時、「ごめん」ってひと言が口から出ていれば
多分、いや、絶対未来はこんなことにはならなかった。
その次の日の鏡に映る自分はひどく醜く見てた。
恐ろしい、怪物に見えた。
それ以来、鏡を見るのをやめた。
数十年経ったある日、私はふと鏡を見た。
やっぱりやめておけばよかったと思った。
あの時よりも、醜く、恐ろしい何かになっていたから。
【月夜】
今日は月が出ていた。
とても丸く、きれいな月だった。
この世界も、あれくらい
綺麗で
明るくて
平和な世界がいいのにな。