成田早苗

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7/19/2024, 9:00:51 AM

私だけ

修学旅行は九州だった。そこでの移動はクラスごとにバス。
ガイドさんもいて、色々と説明してくれていたが私が通っていたのは男子校。あの年代のガキが集まれば大人しいはずもなく、勝手に盛り上がってガイドさんの話なんて聞いてなかった。もちろん私も…

ただ、隣の友人が早々に寝てしまったことと、最前列に座っていたことで、やることも無くなった私はガイドさんの話に耳を傾けることにした。

きっとそんなに歴は長くないんだろうなと感じる雰囲気のガイドさんの話し。

つまらなかった。

でも聞かなくちゃいけないと、いつからか思った。
たぶん私しか聞いていないから。
正確に言えば、聞いてるよってサインを送れるのが最前列の私くらいだと思ったから。

こんなに一生懸命な人を無視できないよ。

だから、修学旅行のバス移動中は必ずガイドさんの話しを聞いた。

最終日、バスから降りた時
ガイドさんがこっそり私に近づいてきた

帰り道、私だけポケットにはアメ玉1つ入っていた。

7/17/2024, 5:59:08 PM

遠い日の記憶

ひたすらに白球を追い、汗だくで帰ってはゲームをし、ただただやりたい事を好きなだけしていた少年時代。誰に遠慮することなく、自信に満ち溢れていた。
そんな時代が自分にもあったのだ。
いつからだろう、人の意見にばかり耳を傾け自分の声を聞けなくなったのは。
いつからだろう、求められているであろう良い人を演じるようになったのは。
いつからだろう、自分に自信を失ったのは。

きっと自分を裏切ったからだ。
小学校の卒業文集に書いた夢『甲子園にでる』
でも、高校で野球をやらなかった。
女のケツを追いかけた、大学受験のためだと勝手に言い訳を考えた。なにより、夢が叶わないのが怖くて挑戦すらせずに逃げた。

きっとだから失ったんだ、自分も自信も未来の夢も。
だから今では逃げてばかりだ。
責任、期待、仕事…嫌なことから逃げてばかり。
勝手に傷付いて心が病んだフリをする。
最低だ。

そして、変わりたい。
自分の声を聞き、自信を持ち、立ち向かう少年時代の自分のように。
毎日無条件に楽しかった、あの時のように毎日を楽しむために。

まず自分にできること。
裏切ってきた自分に謝ろう。

ごめんなさい