10/11/2024, 4:06:28 PM
毎朝、カーテンを開けるのが怖い
だって、今日もあの男がカーテンの隙間から覗いてるんだもの
あたしのアパートの向かいに住んでる同じ階の不気味な男
朝、目覚めてカーテンを開けて朝日を浴びるのが
日課だったけど開けるといつも、わずかなカーテンの隙間から顔半分を出して血走った目で見てくるのよ
それが、嫌で自宅で過ごす時はいつもカーテンを閉め切って生活してた
気づいたら、男は朝だけでなく昼も夜も関係なく
コチラを見ているから
毎週のゴミ出しの日を見計らって、しつこく話しかけてくるのをそっけなくしたからこんなに粘着されるのかしら
本当に参ったわ
カーテンをしっかりと、閉めてから退散するんだったわ
まあ、あの時は気が動転してたからカーテンを閉め切る余裕も考えもなかったから仕方ないわよね
体重の重さで、ロープが千切れなきゃいいけど
はやく、腐敗して骨にならないかしら
とにかくあの男の血走った目が、気に入らなかったのよね
骨になれば眼球なんて落っこちるんだから
それまでの辛抱ね
「カーテン」
5/27/2024, 3:42:18 AM
「月に願いを」
願いはあるかと、いざ問われれば私はためらい口を閉ざしてしまう。
自分なんかが、願っていいのか。願った先に、満たされて幸福を感受する私がいていいのだろうかと、そんな捻くれたことを考えてしまう。
あの、優しく仄かに私たちを照らしてくれる美しい月に、手を伸ばし願いを届けても許されるならば、
どうか、お願い私が私でいてもいいのだと赦しを乞いたい。