天国にいる父さんへ
また会いましょう
私が大学生の時
父さんが天国に行ったので
東京から地元に戻って
就職したこと知らないでしょう?
その後、結婚して子供ができて
その子ももう大学に行ってるよ
詳しくは会ったときね
でも父さんは全部、
天国から見て知ってるかもね
場合によっては
そっと助けてくれたのかもしれないね
その辺のことも話してね
天国で会いましょう
題「また会いましょう」
仕事は
スリル満点の
ジェットコースターに似ている
ゆっくりと学生時代を
過ごしたかと思うと
いっきに忙しくなる
上司の意見に
左、右と振り回され
気持ちが上下する
プレゼンがうまく行くか
ハラハラドキドキ
会社という名の
安全装置が肩から
守ってくれているが
自由ではない
一つ仕事が終われば
やっと
ホッとできるのだ
題「スリル」
ペンギンは
飛べない翼を持っている
ゆえに
大空を飛び回ることは
できない
空から見る絶景を
生涯、見ることはない
しかし、海にもぐれば
空を飛んでいるかのごとく
海を自由に泳ぐ
ペンギンは空を
飛ぶ努力をしない
自分が自由でいられる
海で生きる
自分らしく生きることの
大切さを
教えてくれている
題「飛べない翼」
まんまるの月に
ススキがよく合う
静かに光る月に
ススキが花を添える
華やかに咲く
バラやユリでは
合わないのだ
月がススキの良さを
引き出している
人も同じだろうか
華やかな人ばかりでは
静かで落ち着いた雰囲気に
合わないか
ススキのような私を
生かせる場所がある
題「ススキ」
東京の大学に合格し
田舎から離れられると思い
うれしかった
引っ越しのために
両親と私の3人で
縁もゆかりもない場所で
準備をした
夕方に終わり東京駅に
両親を見送りに行った
母が「じゃあ、頑張ってね」
と言ったあと、
両親が雑踏の中に消えていく
1人になった
その瞬間にさみしさが
一気に押し寄せた
親のありがたみが
次から次へと押し寄せた
涙でゆらいだ両親の背中が
今でも脳裏に焼き付いている
題「脳裏」