ゆかぽんたす

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7/9/2023, 12:07:53 PM

ベランダの花に水をやること
雨の日は頭痛薬を持ち歩くこと
翌日が何ゴミの日かチェックしておくこと
デスクトップの愛猫にニンマリすること

残業になりそうでも後輩にはすぐ終わると言うこと
飲み会の幹事が嫌でも率先して請け負うこと
締切が来週でも上司に迷惑がられないように余裕を持って提出すること
電車が遅れていても貴方に迎えを頼まないこと

遅く帰ってきても湯船に浸かること
胃痛が起きないうちに胃薬を飲むこと
さっき着いたよ、と会いたい気持ちを隠して控えめに貴方にLINEを送ること
貴方からの返事はまだかとずっと待たないこと


寝る前に水を1杯飲んで
愛猫を撫でて
何もない夜空を見て
明日連絡を入れる得意先を思い出して
ベッドに入って眠くないけど瞼を閉じる、その前に
最後に携帯を見る
これが今日の最後の、私の当たり前


ぴこん



通知の音。真っ暗な部屋でやたら眩しい画面を見る。

『お疲れ様。明日は時間がとれるから会えるよ』

23時59分。
今日の最後は当たり前で締めくくらなかった。



7/8/2023, 12:20:35 PM

窓の外の流れる景色を見ながら、今日あったことを思い出していた。久しぶりに食べた母の料理。知らない内についた玄関のスロープ。相変わらず笑ったままの仏壇の父の写真。つい3時間ほど前のことなのにだいぶ前のことのように感じる。特急電車に乗っているから尚更そう思うのかもしれない。時速100キロもの速さで私を故郷から都心部へと連れてゆく。現実へ引き戻すかのように、容赦なく。いつの間にか外の景色は代わり映えのない灰色のビルばかりになっている。あっという間に見慣れた土地に運ばれてしまった。ホームに降り立ち、いつもの改札を抜けたところでポケットのスマホが震えた。
『いつでも帰ってきんさい』
母からのメールだった。私が東京に着く時刻を知っているわけがないのに。それはタイミング良く受信した。たった一言のそれに、私もありがとうと一言だけ返す。顔を上げるともう辺りは夜の帳が下りようとしていた。駅の周辺の街灯がもう明かりを灯している。温かくて柔らかな光。実家の居間の色となんとなく似ていた。私の故郷じゃないのに、むしろ実家から嫌な現実へ引き戻されてきたばかりなのに。その灯りは、どこか私におかえりなさいと言っているように見えた。
明日も頑張ろう。自分なりに。

7/7/2023, 12:40:48 PM

織姫
彦星
星の形
願い事
天の川
ロマンチック
なのにほとんど曇り空の夜