『泣くとか泣かないとか』
私はいつでも泣く
すぐ泣く
ドラマでも、ドキュメンタリーでも
とにかく無自覚のうちに涙が流れている
そんな私でも、
この一年で泣いた回数は、これまでの比ではない
泣かなかった日がどれほどあるのか
それでも、それ以上に笑った
笑うことで自分を浮上させてきた
だから、今、案外静かで穏やかな世界にいる
どんな感情も、ぎゅうぎゅうに袋に詰めて
ぶんぶんゆさゆさシェイクしたら、
案外その塊は、じんわりほんのり内側に
あかりが灯っているんじゃないか
『星が溢れる』
星が溢れる夜に
感情が流れ出る
しんと静まった藍色の空が
またたく間に霞んで見えなくなる
星は流れ落ち
想いは溢れ出る
『安らかな瞳』
旅立った子は「かまってちゃん」だった
誰かが座るとすぐ膝に乗ってきた
彼を失って、もうあの重みを思い出せない
彼女は彼を失って、すっかり変わってしまった
喜びを爆発させてくるくる回ることもなくなったし、
しっぽも振らなくなった
うるさいほど吠えていたのに、ほとんど声も出さない
私の喪失と彼女の喪失は、同じようで全く違っているのかもしれない
それでも数ヶ月すると彼女は彼女なりの落ち着きを取り戻した
彼女は残りの日々をただ受け入れて、一日一日過ごしている
その静かさが今の私を支えている
『ずっと隣で』
アカウントの乗っ取りにあったことをきっかけに、さまざまな整理が始まった
全く使ってないアプリを見直したり
アドレスとパスワードを変更したり
今まで見て見ぬふりをしていた、面倒なことに手をつけ始めた
ずっと長く通い、結構な買い物をしてきたモールの会員履歴がなくなっていた
確かにここ数年、ネットの買い物が中心になっていた
それでもまた機会があれば行きたい場所だった
ポイント失効は仕方ないとして、会員番号もアドレスもヒットしないことに、なんだかがっかりした
そして新たに発見したのは銀行口座
もしかしたら休眠口座になっているかもしれない
初めて就職した会社のメインバンクとして、ほぼ強制的な口座開設だった
その世界はどんどん変化し、統合を繰り返して、元の姿はなくなっていた
それでも私の中にはその頃の感覚や思いが、その『口座』の中にいまだに残っていたんだと、今回のことを通して改めて気づいた
ペットや、お気に入りのものに思い入れがあって、ずっと支えにしているのは、理解してもらいやすい
でも私は買い物の場所や銀行口座にまで、『自分』を認識していて欲しかったんだ
毎日存在を感じながらずっと一緒にいた愛犬との生活を、失う日を思うだけで涙が流れるのはもう、
私の性質上、どうしようもないのだ
『もっと知りたい』
好奇心がないことがちょっとコンプレックスだった
いろんなことに興味を持って楽しんでいる人
何かに夢中になっている人
雑学に詳しい人
世間で起こるいろんな事件をよく知っている人、覚えている人
私には何もなかった
みんなでワイワイ話していても、ついていけてないこともあった
そんな時は中途半端な笑顔でごまかした
ある時から、自分が興味を持ったものに対しては人から理解されないくらい「知りたがり」の性質があると気づいた
ただ周りの人と興味が一致していないだけだった
そして、いつのまにかネットで情報を得られる世界になっていた
みんなが好きな大谷とか、オリンピックとか、アイドルとか、
そういう話を楽しめたら、日常はもっともっと輝くのだろうか
それでも、
たくさんの人と共鳴できることではなくても、
興味を持てるものが何かしらあることが、
自分が今存在することの意味となっている